青梅線の歴史と青梅鉄道公園

1.青梅線の歴史 2.青梅駅 2.青梅鉄道公園へのアクセス 3.青梅鉄道公園に保存される車両 4.ホリデー快速おくたま号

 

青梅鉄道公園(2020年10月)


青梅線の歴史

青梅(おうめ)線は立川~奥多摩間を結ぶ路線であり、そのうち青梅~奥多摩間には「東京アドベンチャーライン」という愛称が付されています。

 

1894年(明治27年)に青梅鉄道は立川青梅間を開業しましたが、当時の軌間は762ミリのいわゆる「軽便鉄道」でした。このとき、拝島駅、福生(ふっさ)駅、羽村駅、小作(おざく)駅、青梅駅を開業しています。

 

福生駅(2020年11月)

 

翌年に青梅~日向和田(ひなたわだ)間を貨物線として延伸開業した後、1898年(明治31年)には旅客営業も開始しました。1908年(明治41年)になると、軌間を762ミリから1,067ミリへと変更し、中神駅も開業しています。さらに、1920年(大正9年)には日向和田~二俣尾間を延伸開業し、貨物支線となる立川~上古新田間を開業しました。

 

青梅駅駅名標(2020年10月)

 

昭和に入り、1927年(昭和2年)に貨物支線の福生~河岸積込所間を開業したが、1929年(昭和4年)には「青梅電気鉄道」と社名を変更して二俣尾~御嶽間を延伸開業しました。1931年(昭和6年)には西立川駅を開業し、南武鉄道立川駅と西立川駅を結ぶ貨物連絡線を敷設しました。1935年(昭和10年)になると、立川~上古新田間が廃止され、西立川駅の旅客営業を開始しました。その後、1944年(昭和19年)に国有化されて「青梅線」となりました。


青梅駅

青梅駅は青梅線の駅であり、1894年(明治27年)に青梅鉄道立川~青梅間を開業した際に設置されました。

 

青梅駅に停車する青梅線の車両(2020年10月)

 

1924年(大正13年)に青梅駅開業30周年を記念して駅舎が改築されました。

 

青梅駅駅舎(2020年10月)

 

その後の国鉄時代を経て、JR東日本の駅となっています。2005年(平成17年)には「レトロステーション青梅駅」としてオープンし、駅の地下道には昭和時代風の装飾がほどこされました。

 

青梅駅の地下道(2020年10月)


青梅鉄道公園へのアクセス

国鉄時代の1962年(昭和37年)、日本の鉄道敷設90周年を記念して青梅鉄道公園を設立しました。

 

青梅鉄道公園(2020年10月)

 

青梅鉄道公園の最寄り駅となるのは青梅駅ですが、駅から徒歩15分ほどとなります。

 

青梅駅ホームの待合室(2020年10月)

 

途上はかなりの急坂となりますが、バスなどの交通機関がないので、少しハードな道のりとなります。青梅駅から見て青梅鉄道公園は北東方向にありますが、青梅駅の出入口は南側にありますので、一度駅の南側に出ることになります。

 

青梅駅南側のロータリー(2020年10月)

 

駅を出ると左へ(線路に沿って東京方面へ)としばらく進むと、永山公園通りに出るのでこれを左折します。青梅線の線路を越える小さな橋を渡り、永山体育館を左手に見ながら道なりに右へと坂を上っていきます。

 

青梅線を越える小さな橋(2020年10月)

永山公園通りの坂を上っていく(2020年10月)

 

永山公園通りはほぼ直角に左へカーブを切りますが、これと分かれて歩行者のみが歩くことができる小径をゆっくりと登っていきます。

 

青梅鉄道公園へと続く小径(2020年10月)

 

これを登りきった場所に青梅鉄道公園があります。

 

青梅鉄道公園(2020年10月)


青梅鉄道公園に保存される車両

青梅鉄道公園の入り口すぐ左横に展示されるD51形蒸気機関車は、D50形蒸気機関車に取って代わる主要幹線貨物列車用として1936年(昭和11年)~1945年(昭和20年)にかけて1115両も製造された蒸気機関車です。

 

青梅鉄道公園に保存されるD51蒸気機関車(2020年10月)

 

国鉄の近代化SLとして初めてボックス動輪が採用され、日本で最も多く製造された蒸気機関車として、その愛称「デゴイチ」は多くの人々に知られています。

 

青梅鉄道公園に保存されるD51蒸気機関車(2020年10月)

 

ここに保存・展示されるD51-452は1940年(昭和15年)に製造されたものであり、1965年(昭和40年)まで東北本線(郡山~盛岡間)で活躍しました。その後、関西本線(亀山~天王寺間)へ転籍して1972年(昭和47年)までに213万キロを走破しました。

 

青梅鉄道公園に保存されるD51蒸気機関車(2020年10月)

 

クモハ40は国鉄時代、東京・大阪地区の通勤輸送用として1932年(昭和7年)より製造がはじめられました。ここに展示されるクモハ40-054は1935年(昭和10年)にモハ40-134として製造されたものです。総武線山手線で活躍した後、戦後は中央線を中心に走り、青梅線でも走ったことがあります。

 

青梅鉄道公園に保存されるクモハ40(2020年10月)

 

1962年(昭和37年)に日光線へと転じました。クモハ40は1978年(昭和53年)にすべての車両が引退しています。

 

青梅鉄道公園に保存されるクモハ40(2020年10月)


ホリデー快速おくたま号

「ホリデー快速おくたま号」は中央線青梅線を経由して東京~奥多摩間を結ぶ特別快速列車です。同様の特別快速に「ホリデー快速あきがわ号」があり、これは中央線五日市線を経由して東京~武蔵五日市間を結びます。

 

拝島駅の足元表示(2020年7月)

 

ただし、「ホリデー快速あきがわ号」は五日市線内(武蔵五日市~拝島間)は各駅停車であり、拝島駅で「ホリデー快速おくたま号」に併結して運転するため、拝島~東京間は特別快速「あきがわ」「おくたま」として運行されます。

 

青梅線の立川行き普通列車(2020年7月)