東海道本線の歴史

世界初の鉄道が開通してから約50年後の1872年(明治5年)10月14日(旧暦:9月12日)、新橋~横浜間に日本初の鉄道が開業した。

旧新橋停車場(2023年2月)

▼この記念すべき明治5年9月12日、新暦でいうところの1872年10月14日は、1922年(大正11年)に当時の鉄道省によって「鉄道記念日」として制定された。▼1994年(平成6年)に当時の運輸省によって「鉄道の日」と改められ、国鉄を継承したJRだけでなく、全鉄道会社にとっての記念日となった。▼現在では「鉄道の日」には全国各地で各鉄道会社によってさまざまなイベントが開催されている。

青梅鉄道公園9600形蒸気機関車(2020年10月)

▼1874年(明治7年)に大阪神戸間の仮営業を経て、1877年(明治10年)に京都神戸間が正式に開業した。▼特に大阪京都への延伸については、一度に開通したわけではない。

京都駅(2019年5月)

▼1876年(明治9年)7月に向日町まで、9月に大宮通(仮駅)まで、1877年(明治10年)2月に京都へと達した。▼このときに、京都神戸間に設けられた中間駅は向日町、山崎、高槻、茨木、吹田、大阪、西ノ宮(現在の西宮)、三ノ宮だった。

吹田駅(2016年12月)

▼その後、新橋~横浜間および神戸大阪京都間、この東海道本線両端の間の線路は徐々に敷設され、1889年(明治22年)に最後に残った区間である関ヶ原~馬場(現在の膳所)間が開通して全通となる。

工事中の膳所駅(2018年1月)

▼東海道本線は1964年(昭和39年)に全線の電化を完了。▼1987年(昭和62年)4月1日には国鉄が分割民営化され、東海道本線のうち東京~熱海間はJR東日本、熱海~米原間はJR東海(熱海駅はJR東日本、米原駅はJR西日本)、米原~神戸間はJR西日本に分割された。

京都駅に到着する東海道本線の車両(2019年1月)

▼東海道本線は日本の鉄道史を象徴してきた路線である。▼現在でも、その営業距離は589.5キロ(支線を除く)にもおよび、駅数186駅を抱える日本の大動脈である。▼しかしながら、現在では全線走破する列車はほとんどない。

東京駅(2019年3月)

▼現在では、寝台特急「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」(愛称「サンライズエクスプレス)のみが東海道本線全線を走る。

サンライズエクスプレス(2022年12月)

▼「サンライズ瀬戸」の運行区間は高松~東京間、「サンライズ出雲」の運行区間は伯備線経由の出雲市~東京間である。▼2つの列車は岡山~東京間においては連結して運行される。

サンライズエクスプレス(2022年12月)