水海道駅と水海道の町並み

1.水海道の歴史 2.水海道駅 3.常総市の古い建造物

水海道駅駅名標(2020年12月)


水海道の歴史

水海道(みつかいどう)市は2006年(平成18年)、石下(いしげ)町を編入して常総市となりました。水海道は江戸時代、鬼怒川の水運により栄えた町であり、商業を中心に発達しました。

 

水海道の町並み(2020年12月)

 

鬼怒川を下る舟は守谷まで行くと、鬼怒川と合流する利根川を関宿まで遡り、そこで分岐する江戸川を下るという航路をとっていました。昭和時代になると、その舟が運行する姿も見られなくなってしまいました。

 

水海道駅駅舎(2020年12月)


水海道駅

常総市の中心駅となる水海道駅は1913年(大正2年)、常総線の開通と同時に開業しています。

 

水海道駅改札(2020年12月)

 

取手~水海道間は1984年(昭和59年)に複線化が完了していますが、水海道駅~下館駅間は現在も単線のままです。

 

取手~水海道間複線完成記念乗車券
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この複線区間(取手~水海道間)と単線区間(水海道~下館間)を直通して「(取手発)下館行き」や「(下館発)取手行き」という列車ももちろんありますが、「水海道乗換下館行き」や「水海道乗換取手行き」に遭遇することがあります。

 

水海道駅改札(2020年12月)

 

「水海道乗換…」の列車に乗車した場合には、水海道駅に着くと一度ホームに降りて、目の前に停車する「下館行き」あるいは「取手行き」の列車に乗り換えなければなりません。

 

水海道駅ホーム(2020年12月)

 

たとえば、取手駅15時台(平日下り)の時刻表を見ると、以下のようになっています。15時09分発「下館行き」は直通運転ですが、15時47分発「下館行き」は「水海道乗換下館行き」となっています。

 

取手駅時刻表(抜粋)


常総市の古い建造物

常総市には古い建造物が数多く残っています。

 

水海道の町並み(2020年12月)

 

旧報徳銀行水海道支店は水海道駅から北へ徒歩6分ほどの場所にあります。

 

水海道駅(2020年12月)

 

当時の報徳銀行は東京に本店を構え、全国に22の支店をもつ全国規模の大銀行でした。大正時代の水海道には報徳銀行と水海道銀行(現在の常陽銀行)の2行がありました。

 

旧報徳銀行水海道支店(2020年6月)

 

報徳銀行水海道支店は1912年(大正元年)に現在の水海道諏訪町に建てられ、1923年(大正12年)頃に現在地(水海道宝町)に新築されたものです。報徳銀行は昭和時代の金融恐慌で破綻しましたが、この建物はその後、いくつかの銀行の建物として2004年(平成16年)まで使用されていました。

 

旧報徳銀行水海道支店(2020年6月)

 

徳川綱吉の時代に藤屋伊右衛門が江戸屋薬舗を開業し、安政前期頃まで現在の水海道元町や水海道宝町で薬種や染料を商いました。明治時代の初期になると、藤屋伊右衛門を五木田伊右衛門に改名し、屋号「江戸屋薬舗」を継承しました。

 

表札「五木田伊右衛門」(2020年6月)

 

時代を先取りした大形立体文字の看板は掲げ、水海道・守谷・石下などの医者・薬屋へ漢方薬などを調合して卸売りしました。

 

看板「江戸屋薬舗」(2020年6月)

 

現在に残る建造物は1859年(安政6年)に第14代が建てたものであり、水海道商家の代表的建築となっています。

 

江戸屋薬舗(2020年6月)