両国橋駅の誕生と総武線の歴史

1.両国駅の歴史と総武線の誕生 2.中央・総武緩行線と横須賀・総武快速線

 

総武線路線図


両国駅の歴史と総武線の誕生

両国橋は千住大橋に次いで2番目に隅田川に架橋されました。当初は「大橋」という名でしたが、西側の武蔵国と東側の下総国を結ぶ橋ということから「両国橋」として親しまれました。1693年(元禄6年)に新しい橋が架けられたときに「両国橋」が正式名称となりました。新しい橋が架けられる少し前の1686年(貞享3年)、両国橋の東側の地域も武蔵国に編入されましたが、この辺りには「両国」という名前が残りました。

 

両国駅周辺(2019年10月)

 

この辺りには国技館をはじめとして江戸東京博物館、旧安田庭園などがありますが、その中心となるのが両国駅です。両国駅は現在はJRの駅ですが、もともとは1904年(明治37年)に総武鉄道が「両国橋駅」として開業したものです。当時は総武鉄道のターミナルとして開業し、東武鉄道もこの駅に乗り入れました。

 

秋葉原駅を出発する総武線(2020年9月)

 

1907年(明治40年)に総武鉄道は国有化され、1910年(明治43年)には東武鉄道が乗り入れを廃止しました。1931年(昭和6年)に「両国駅」とされ、1932年(昭和7年)には御茶ノ水駅まで開通し、現在の総武線となりました。

 

両国駅(2019年10月)


中央・総武緩行線と横須賀・総武快速線

現在両国駅を走るのは黄色のラインが入った電車ですが、これは中央・総武緩行線(各駅停車)の車両です。中央・総武緩行線(各駅停車)は千葉駅から総武本線の一部となる線路を走って御茶ノ水駅まで行き、ここから中央本線の一部となる線路に入り三鷹駅まで乗り入れるという路線です。

 

両国駅に停車する中央・総武緩行線(2019年10月)

 

この総武線には快速線があり、千葉方面からやって来た列車は錦糸町駅で、両国駅へ向かう黄色の電車が走る中央・総武緩行線(各駅停車)と馬喰町駅へ向かう総武快速線に分かれます。総武快速線を走る列車は黄色の電車ではなく、横須賀線を走る電車です。総武快速線は錦糸町駅から分岐した後、東海道本線を経由して横須賀線へと入ります。

 

横須賀・総武線快速E217系(2017年8月)

 

横須賀線は大船~久里浜間を結ぶ路線であり、1889年(明治22年)に開業しています。運行系統上では、国鉄時代の1980年(昭和55年)以来、横須賀線(大船~久里浜)、東海道線東京~大船)および総武線東京~千葉)においては相互直通運転を実施し、一部の列車は千葉より先、内房線や外房線成田線へも乗り入れしています。

 

錦糸町駅(2022年7月)