旧筑波駅ホーム(2017年8月)
つくば市の誕生とつくば駅の開業
つくば市は茨城県南部に位置する市であり、1960年代から筑波研究学園都市として開発されてきましたが、それ以前は筑波のまちは田畑が広がる見渡す限りの田園地帯でした。
遊食伊太利庵「藤右エ門」/つくば駅より車で10分(2020年9月)
首都・東京の過密が問題となり首都機能の一部を筑波山麓へと移転させるというプロジェクトが1963年(昭和38年)よりスタートしました。当初の移転先候補地は筑波山麓、那須高原、富士山麓の3か所でしたが、最終的に筑波山麓に決定しました。新たに開発された研究学園都市を広く知らしめる狙いとして、1985年(昭和60年)に国際科学技術博覧会(通称「科学万博」「つくば万博」など)が開催され、世界に「科学のまち、世界のTUKUBA」がアピールされました。
つくば饅頭(2018年8月)
当然ながら当時は、つくばエクスプレスは開業しておらず、「つくば万博」の窓口となったのは常磐線の牛久駅~荒川沖駅間に臨時駅として設置された万博中央駅でした。万博終了後、万博中央駅は廃止となりましたが、その跡地に1998年(平成10年)、「ひたち野うしく駅」として復活を果たしています。
南千住駅に到着するつくばエクスプレスの車両(2019年1月)
つくば市は1987年(昭和62年)、谷田部町・大穂町・豊里町・桜村の3町1村が合併してつくば市が誕生しました。その後、筑波町、茎崎町を編入して現在の市域となっています。その中心地は2005年(平成17年)につくばエクスプレスが開業して以来つくば駅となっています。つくば駅は茨城県内で初めての、そして茨城県内唯一の地下駅となっています。
つくば駅駅名標(2018年8月)
つくば駅開業に先立ち、1985年(昭和60年)には現在のつくば駅の場所に周辺の路線バスの発着地となる「つくばセンター」が交通の拠点として設置されています。つくば駅開業後も路線バスの停留所名は「つくばセンター」と称されています。
つくば駅への入口(2018年8月)
つくば駅の駅ビル的な存在が「つくばクレオスクエア」でしたが、運営会社が変わり2021年(令和3年)に「トナリエつくばスクエア」としてリニューアルオープンしました。
トナリエつくばスクエア(2021年6月)
この「駅ビル」の中核店舗となっていた西武百貨店とイオンはすでに閉店しており、現在の「つくばクレオスクエア」はCREO(クレオ)、MOG(モグ)、Q’t(キュート)の3部分からなっています。
正面:CREO、右:MOG、左:Q’t(2021年6月)
昔の筑波駅跡
つくば市内の駅としてはかつて「筑波駅」がありましたが、その筑波駅とつくばエクスプレスのつくば駅の所在地は大きく離れています。筑波駅は筑波山の麓にあった筑波鉄道の駅であり、1987年(昭和62年)に廃止となっています。
筑波駅跡(2017年8月)
筑波駅はつくば駅が開業する前の時代にはこの辺りの主要駅であり、筑波山への玄関口として多くの観光客が乗降しました。
旧筑波駅ホーム(2017年8月)
筑波駅はつくば駅から20キロほど離れた場所にあり、車で30分ほど走らなければなりません。つくば駅からは筑波山口行きのバスに乗って、終点で下車すれば筑波駅があった場所に到着します。
筑波山シャトルバス路線図
筑波駅があった場所には「つくばりんりんロード」の休憩所が置かれていて、ホームの一部が活用されています。
旧筑波駅付近の廃線跡「つくばりんりんロード」(2017年8月)
旧筑波駅ホーム(2017年8月)
旧筑波駅駅舎は関東鉄道つくば北営業所として利用されています。
旧筑波駅駅舎で営業を続ける関東鉄道つくば北営業所(2017年8月)
また、関東鉄道つくば北営業所前の筑波山口バスターミナルは現在も営業を続けており、複数の路線バスが発着します。
筑波山口バスターミナル(2017年8月)
筑波山口バスターミナルに掲示されるバス運行路線図(2017年8月)