さくら交通公園とD51形蒸気機関車

1.さくら交通公園とアムステルダム駅舎 2.D51形蒸気機関車 3.国鉄東名ハイウェイ・バス(ドリーム号)

 

公園内にあるホームの駅名表示板(2018年8月)


さくら交通公園とアムステルダム駅舎

つくばエクスプレスの終点となるつくば駅から東へ徒歩15分ほどの場所には、交通をテーマとしたさくら交通公園があります。園内には、蒸気機関車D51やオランダ・アムステルダム駅舎をアレンジした煉瓦造りの駅舎、1969年式の国鉄ハイウェイ・バス、貸し自転車やゴーカートなどがあります。

 

さくら交通公園駐車場入り口(2018年8月)

 

さくら交通公園には駐車場が併設されていますので車でアクセスすることもできますが、車で行く場合には、駐車場の入り口が大きな通り(土浦学園線)に面していないので注意が必要です。

 

少し古くなった入口の案内図(2018年8月)

 

駐車場の入り口から入ると、オランダ・アムステルダム駅舎をアレンジした煉瓦造りのクラシカルな建物が迎えてくれます。

 

公園内にある煉瓦造りの駅舎(2018年8月)

 

この駅舎風の建物は公園の管理事務所となっています。この建物のモデルとなったアムステルダム中央駅は、当時のオランダの著名な建築家であるP.J.H.カイペルスとA.L.ファン・ゲントによって設計されたものです。P.J.H.カイペルスはアムステルダム国立美術館も設計しています。

 

公園内にある煉瓦造りの駅舎(2018年8月)

 

辰野金吾の設計による東京駅丸の内駅舎は、このアムステルダム中央駅駅舎を模したという説もあります。2006年(平成18年)には東京駅とアムステルダム中央駅は姉妹駅となっています。

 

公園内にある煉瓦造りの駅舎(2018年8月)

 

園内には自転車、三輪車やゴーカートがあり、この煉瓦造りの建物内にはそれらを貸し出すための受付が設けられています。

 

自転車置き場(2018年8月)

 

園内には信号や道路標識、横断歩道などがあるので、これらの乗り物を利用して園内を走行することにより、交通ルールが覚えることができるようになっています。

 

ゴーカート置き場(2018年8月)


D51形蒸気機関車

公園内のアムステルダム駅舎のすぐ横には、蒸気機関車D51が保存されています。園内に保存される蒸気機関車D51は「D51-70号」ですが、これは日立製作所で製造された蒸気機関車であり、1937年(昭和12年)に完成したものです。

 

園内に保存されるD51-70号(2018年8月)

駅舎の横にD51の後ろ姿が見える(2018年8月)

 

当初D51-70号」は岡山機関区に配属されて、山陽本線姫路と広島の間を走っていましたが、1950年(昭和25年)に北海道に転籍し、五稜郭、小樽築港、追分などの機関区で1975年(昭和50年)まで活躍していました。その間に走った距離は287万8164キロにもなりますが、地球から月までの距離が約38万キロなので、月まで3往復してまた月まで行くことができるという途方もない距離を走ったことになります。

 

園内に保存されるD51-70号(2018年8月)

 

かつて戦争により貨物輸送の需要が増えたため、D51形蒸気機関車のようなD型機関車が数多く製造されました。第二次世界大戦が終了すると、貨物輸送の需要が減少したためD型機関車の多くは運行されずに待機することになってしまいました。

 

園内に保存されるD51-70号(2018年8月)

 

一方で貨物輸送に対して旅客輸送は増大することになり、旅客用蒸気機関車の不足を補うためにD51形蒸気機関車のボイラーにC57形蒸気機関車の走行装置を取り付けて、新たにC61形蒸気機関車を製造しています。C61形蒸気機関車は1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)にかけて33両製造されたものであり、「D–C改造」の最初の機種となりました。これに次いで、D62形蒸気機関車はC62形蒸気機関車へと「D–C改造」されました。

 

蒸気機関車の進行方向にある踏切(2018年8月)


国鉄東名ハイウェイ・バス(ドリーム号)

園内には蒸気機関車の他に古いバスも保存されています。駐車場からもそのバスの姿を見ることができます。

 

駐車場から見える国鉄東名ハイウェイ・バス(2018年8月)

 

このバスは国鉄東名ハイウェイ・バス(ドリーム号/747・9901号車)です。

 

国鉄東名ハイウェイ・バスの案内板(2018年8月)

 

このバスは国鉄が東名高速道路用として設計し、第1号車として日野自動車が製造したものです。

 

園内に保存される国鉄東名ハイウェイ・バス(2018年8月)

 

1969年(昭和44年)に完成し、1977年(昭和52年)まで東名高速道路と名神高速道路を走っていました。

 

園内に保存される国鉄東名ハイウェイ・バス(2018年8月)

 

その間に走った距離は137万4021キロになります。この距離は、地球を1周するとおよそ4万キロになりますから、34回位回ったことになります。

 

国鉄の文字が見える(2018年8月)