1.天王寺ターミナル 2.新ランドマーク「あべのハルカス」 3.旧タワー「通天閣」 4.天王寺ターミナル周辺の風景
天王寺駅付近を走行する大和路快速と特急「はるか」(2016年11月)
天王寺ターミナル
大阪には「キタ」と「ミナミ」とよばれる繁華街があります。「キタ」は大阪駅のある梅田周辺一帯、「ミナミ」は難波や心斎橋周辺一帯をさし、いずれも大阪随一の繁華街を形成しています。
あべのハルカスに展示される天王寺駅周辺の模型(2016年11月)
これに次ぐ規模を誇り、「ミナミ」とともに大阪の南の玄関口として双璧をなすのが天王寺駅です。
天王寺駅(2016年10月)
天王寺駅は1889年(明治22年)、大阪鉄道が柏原~天王寺~湊町(現在のJR難波)を開業した際に設置されています。現在では天王寺駅には数多くの路線が乗り入れます。
天王寺駅付近を走行する大和路快速と特急「はるか」(2016年11月)
JRでは大阪環状線をはじめとして、関西本線、阪和線が乗り入れます。
天王寺駅付近を走行する大和路快速と特急「はるか」(2016年11月)
地下鉄においては御堂筋線、谷町線が乗り入れています。また、阪堺電気軌道上町線では天王寺駅前停留場が起点となっている他、近畿日本鉄道南大阪線は天王寺駅に隣接する大阪阿部野橋駅がその起点となっています。大阪阿部野橋駅は南大阪線の前身である大阪鉄道が建設したものですが、当時は現在地より100メートル北寄りに位置していたといいます。1937年(昭和12年)に駅舎は大鉄百貨店(現在の近鉄百貨店)を有する地上7階のビルに建て替えられています。
天王寺駅付近を走行する大和路快速と特急「はるか」(2016年11月)
天王寺駅周辺ではこのように数多くの路線が乗り入れているため、以前からターミナルとしての機能を果たしてきました。
天王寺駅付近を走行する大和路快速と特急「はるか」(2016年11月)
近年では、再開発により「新しいまち」へと変貌を遂げ、以前よりもさらに数多くの人が訪れるようになり、いっそうの賑わいを見せています。
天王寺駅周辺の模型展示(2016年11月)
新ランドマーク「あべのハルカス」
再開発の目玉の一つであるあべのハルカスは2014年(平成26年)に開業した日本で最も高いビルです。その高さは300メートルにも及び、それまで最も高かった296メートルの横浜ランドマークタワーを抜いて、日本一の高層ビルとなりました。
あべのハルカス(2016年10月)
「ハルカス」という名前は古いことば「晴るかす」に由来しており、「晴るかす」には「はればれとさせる」「晴らす」という意味があります。
あべのハルカス(2016年10月)
旧タワー「通天閣」
あべのハルカスからJR線に沿って新今宮方面へ歩いて行くと、道路は大きく下り坂となります。まさに上町台地の段差を感じることができます。
天王寺駅周辺から見る通天閣(2016年10月)
道を下ると、その町並みはしだいに再開発による「新しいまち」から「かつての大阪」の町並みへと変化していきます。そのシンボルとしてそびえ立つのが通天閣です。
通天閣を見上げる(2016年10月)
通天閣へは大阪環状線の新今宮駅より徒歩10分ほどでアクセス可能です。新今宮駅は1964年(昭和39年)に国鉄の駅として開業しました。通天閣へは新今宮駅の他、地下鉄堺筋線の恵美須町駅や動物園前駅、阪堺電気軌道の恵美須町駅、南海電気鉄道の新今宮駅からのアクセスもできます。
通天閣の足元から天井を見上げる(2016年10月)
さて、現存する通天閣は2代目であり、1956年(昭和31年)に完成しています。初代通天閣は1943年(昭和18年)に火災により焼け落ちてしまっています。通天閣は4本の足で支えられていますが、4本の足は道路をまたがる形で立っています。道路からのぞいた通天閣の宣伝広告はその歴史を物語ります。
天王寺ターミナル周辺の風景
地下鉄谷町線天王寺駅の最寄りとなる茶臼山は、大坂冬の陣のとき徳川家康の本陣となり、大坂夏の陣のときには真田幸村の本陣となりました。
天王寺駅構内ポスター(2016年10月)
茶臼山は天王寺公園の中にありますが、天王寺公園も昔に比べると整備されており、市民の憩いの場となっています。
茶臼山(2016年10月)
天王寺公園内の河底池に架かる和気橋は788年(延暦7年)、和気清麻呂がこの辺りで運河の建設に携わったことからそれにちなんで名づけられたといいます。
和気橋(2016年10月)
この近くには天王寺公園、天王寺動物園をはじめ、さまざまな施設があります。旧黒田藩蔵屋敷長屋門は現在の中之島にかつて存在した黒田藩蔵屋敷の表門であり、大阪府の有形文化財となっています。
旧黒田藩蔵屋敷長屋門(2016年10月)
大阪市立美術館は1936年(昭和11年)に開館した美術館であり、天王寺公園内のこの場所には住友家の本邸が建てられていました。
大阪市立美術館(2016年10月)
美術館の建設のために住友家から大阪市に寄贈された場所に大阪市立美術館は建設されたものです。その建物は、設立当初の本館と1992年(平成4年)に地下に新設された地下展覧会室から成ります。
大阪市立美術館(2016年10月)
その近くにある慶沢園も住友家から大阪市へ寄贈されたものであり、純日本風の林泉回遊式庭園となっています。
日本庭園「慶沢園」(2016年10月)
三方向に築山が築いてあります。
日本庭園「慶沢園」(2016年10月)