大阪モノレールが運営する2路線

1.モノレールの種類 2.大阪モノレールが運営する2路線 3.レンタサイクルと非常用脱出シューター 4.大阪モノレールを走る車両

 

万博記念公園駅に到着する大阪モノレール(2018年8月)


モノレールの種類

いわゆるモノレール(単軌鉄道)には懸垂式鉄道と跨座式鉄道の2種類があります。懸垂式鉄道はレールにぶら下がるような形で車両が走行するタイプのモノレールです。このタイプのモノレールには走行中に車体が風による影響を受けるという欠点があります。わが国の懸垂式鉄道には、上野懸垂線(上野モノレール/上野動物園モノレール)、湘南モノレール江の島線(湘南モノレール線)などがあります。

 

大阪モノレール(2018年9月)

 

跨座式鉄道は1本のレールの上を車両がまたぐような形で走行するタイプのモノレールです。このタイプのモノレールには一般的に懸垂式に比べると費用があまりかからないという長所がある一方で、重心を低くしなければならないため車体にレール部分が張り出してくるという欠点があります。わが国の跨座式鉄道には、東京モノレール羽田空港線、多摩都市モノレール、千葉モノレール、大阪モノレール沖縄都市モノレールなどがあります。

 

万願寺駅付近を走る多摩モノレール線の車両(2020年11月)


大阪モノレールが運営する2路線

大阪高速鉄道は大阪府においてモノレール路線2線を営業する鉄道会社であり、その本社は万博記念公園駅のすぐ近くにあります。本社横には車両基地も併設されています。

 

大阪モノレール本社(2018年10月)

 

万博記念公園駅は1990年(平成2年)、大阪モノレール線の千里中央~南茨木間が開通した際に開業しています。

 

万博記念公園駅に到着する大阪モノレール(2018年8月)

 

また、1998年(平成10年)に国際文化公園都市モノレール線の万博記念公園~阪大病院前間が開通した際には乗換駅となっています。

 

万博記念公園駅に到着する大阪モノレール(2018年8月)

 

万博記念公園駅周辺には大阪高速鉄道本社の他、万博記念公園の各施設(太陽の塔、自然文化園、日本庭園、国立民族学博物館、大阪日本民藝館)、ららぽーとEXPOCITYなどがあります。

 

「太陽の塔」(2018年8月)

 

大阪圏の鉄道網は放射状に発達し、大阪市では人や交通の過度の集中により問題が発生していた他、周辺自治体では市街地の拡大により交通網が不足する状況となっていました。そのため、大阪府では関西の各鉄道会社の協力を得て、第三セクター方式により1980年(昭和55年)に大阪高速鉄道を設立し、モノレールを建設するに至りました。

 

万博記念公園「観覧車」(2018年8月)

 

1990年(平成2年)に千里中央~南茨木間、1994年(平成6年)に柴原~千里中央間、1997年(平成9年)に大阪空港~柴原間、南茨木~門真市間がそれぞれ開業しています。現在ではこの大阪空港~門真市間の路線を大阪モノレール線(本線)と呼称しています。

 

大阪モノレール阪急電鉄号(2018年10月)

 

また、1998年(平成10年)には万博記念公園~阪大病院前間、2007年(平成19年)に阪大病院前~彩都西間を開業しています。大阪モノレール線(本線)の万博記念公園駅から分岐し彩都西までを結ぶ路線を国際文化公園都市モノレール線(彩都西線)とよんでいます。

 

大阪モノレール阪急電鉄号(2018年10月)

 

蛍池(ほたるがいけ)駅では阪急宝塚線、千里中央駅では北大阪急行電鉄地下鉄御堂筋線山田駅では阪急千里線、南茨木駅では阪急京都線、大日駅では地下鉄谷町線、門真市駅では京阪本線と接続しています。

 

大日駅駅舎(2018年10月)

 

大阪モノレールの開業により、大阪圏の鉄道網が放射状に発達することにより生じた課題が幾分解決しています。しかしながら、関西大手私鉄との接続は阪急電鉄京阪電気鉄道の2社だけです。にもかかわらず、大阪高速鉄道の株主となっているのは大阪府をはじめとする周辺自治体の他、京阪電気鉄道近鉄日本鉄道阪急電鉄南海電気鉄道北大阪急行電鉄阪神電気鉄道泉北高速鉄道の関西鉄道各社もその株主となっています。

 

泉北高速鉄道のラッピング電車「フロンティア号」(2019年8月)

 

大阪モノレールでは門真市駅以南の延伸計画があり、2029年度の開通を目指しています。計画によると、門真市駅から南へ下り、地下鉄鶴見緑地線門真南駅、JR鴻池新田駅、近鉄けいはんな線荒本駅とそれぞれ結び、さらに南へ下って近鉄奈良線とぶつかるところが終点となります。ここに近鉄奈良線では瓜生堂駅(仮称)建設を予定しています。


レンタサイクルと非常用脱出シューター

交通需要マネジメント(TDM/トランスポーテーション・デマンド・マネジメント)は、公共交通を利用しやすい環境整備や道路有効利用することにより交通の流れを円滑にする手法です。この取り組みの一環として、大阪空港駅を除く17駅にてレンタサイクルを実施しています。

 

大日駅レンタサイクル(2018年9月)

 

モノレールでは駅間において車両が走行不能となった際に、救援車両を現地へ向かわせ、事故車両にこれを連結して最寄りの駅まで牽引したり、消防車(はしご車)のはしごを利用して脱出します。

 

大日駅レンタサイクル(2018年9月)

 

大阪モノレールではこうした方法より安全かつ迅速に車両から脱出することができるように、2017年(平成29年)より順次、その車両に非常用脱出シューターを搭載することになりました。車両が走行不能となった場合に脱出シューターを利用して地上に降りることができるというものです。これはビル用の避難器具を改良したものであり、車両の窓から地上へ向けてシューターを投下して、避難時には乗客が筒状のシューターの中を螺旋状に滑り降りるというものです。

 

大日駅レンタサイクル(2018年9月)


大阪モノレールを走る車両

2018年(平成30年)に新型車両3000系がデビューしました。

 

OSAKAモノレールPRESS No.227(2018年10月)

 

車体の側面はウルトラマリンブルーとアザレアパープルの2色が大きな弧を描き、フロントは少し丸みを帯びた形状となっています。車内のシートは高級感のある滑らかなシートとなっている他、車内はユニバーサルデザインが採用された清潔で明るい空間となっています。

 

太陽の塔と新型車両3000系(2018年10月)

 

ニックン&セイチャン号はキャラクターとなる「ニックン」と「セイチャン」が描かれた車両です。

 

ニックン&セイチャン号(2018年10月)

 

そのベース色は黄色、白色、青色となっています。

 

ニックン&セイチャン号(2018年10月)

 

大阪モノレールは蛍池駅、山田駅、南茨木駅では阪急電鉄と接続しています。

 

阪急電鉄号(2018年10月)

 

それにちなんだ阪急電鉄号はマルーン色にて塗装され、京都の四季が描かれています。

 

阪急電鉄号(2018年10月)