神戸駅の歴史と「デゴイチ」の雄姿

1.D51蒸気機関車 2.神戸駅の歴史

 

神戸駅構内の柱上部(2019年4月)


D51形蒸気機関車

D51形蒸気機関車の愛称「デゴイチ」は日本の蒸気機関車の代名詞となっています。その保存機のうちの1両となるD51-1072はJR神戸線東海道本線内の大阪神戸間および山陽本線内の神戸姫路間の愛称)神戸駅近くの高架線脇にあります。

 

神戸駅近くにあるD51-1072(2019年4月)

 

蒸気機関車の前にある碑には「昭和19年から昭和50年まだ30余年の長いあいだ活躍した君を、神戸市民は東海道本線、山陽本線の起終点近く相生橋跡のこの地に迎える。近代の鉄道史に不滅の功績を残した君の雄姿は地域の象徴としていつまでも神戸市民に称賛され親しまれ続けることだろう」とあります。

 

神戸駅近くにあるD51-1072(2019年4月)

 

D51-1072が製造されたのは1944年(昭和19年)のことであり、引退したのは1975年(昭和50年)のことでした。その全長は19.73メートル、全巾2.93メートル、全高3.98メートル、全重量は87トンです。

 

神戸駅近くにあるD51-1072(2019年4月)


神戸駅の歴史

神戸駅は1874年(明治7年)、日本で2番目となる神戸~大阪間の鉄道の開通の際に開業しています。建設当時の神戸駅は現在の神戸駅の位置より少し東南寄りにありました。レンガ造りと木造を組み合わせたイギリス人技師の設計による駅舎でした。窓にはビードロが配され、平屋建ての豪華でモダンな駅舎でした。そのホームは1面2線を有する頭端式ホームとなっていました。また、設備としても、機関庫や客車庫などの車庫、車両を修理する工場などを併設した拠点駅として誕生しました。

 

神戸駅北口にある神戸駅の説明(2019年4月)

 

2代目駅舎は、旧湊川貨物駅(現在のハーバーランド一帯)を合わせた2階建てのレンガ造りの巨大な駅舎となりました。これは、山陽鉄道との接続を目的とする神戸以西の鉄道延長を目指したことによるものです。この2代目駅舎が完成したのは1889年(明治22年)のことであり、同年東海道本線が全通となっています。これにより神戸駅東海道本線の終点となりました。また、1906年(明治39年)には山陽鉄道が国有化されたことから、山陽本線の起点となっています。現在留置線となっている6番線の浜側には起点を示すゼロキロポストが設置されています。

 

現在の神戸駅北口(2019年4月)

 

3代目駅舎は1934年(昭和9年)、踏切解消のため国鉄最初の高架駅として完成しました。3代目駅舎の装飾は貴賓室(旧駅長室)に代表されるように華麗なものとなっています。この貴賓室は昭和天皇も使用されています。その後、この駅舎は2009年(平成21年)に近代化産業遺産に認定されています。

 

神戸夢見鶏(2019年4月)

 

神戸駅北口に設置される神戸夢見鶏は待ち合わせ場所になっています。神戸夢見鶏について、「風を待ち、進む方向を見つめ、旅立ちを夢見る風見鶏。神戸を象徴する六甲山や神戸港を光を受けて「緑」に輝く積層ガラスで表現しています」との説明があります。