六甲山と摩耶山へのアクセス「まやビューライン」

1.六甲山と摩耶山 2.六甲・まやレジャーきっぷ 3.六甲山へのアクセス 4.まやビューライン

 

創業当時のままの六甲山上駅駅舎(2017年4月)


六甲山と摩耶山

六甲山」は、一般的に六甲山(六甲山最高峰931メートル)を含む六甲山系全域をさします。

 

天上寺(2017年4月)

 

兵庫県南東部に位置し、その山域は神戸市をはじめ、芦屋市、西宮市、宝塚市に属します。

 

摩耶山天上寺前バス停(2017年4月)

 

神戸市の市街地の西から北にのびる山域であり、この一帯は明治時代よりリゾート地として開発が進められてきました。

 

天上寺(2017年4月)

 

摩耶山(まやさん)は六甲山の西に位置し、標高は702メートルの山です。

 

天上寺(2017年4月)

 

釈迦聖母をその本尊とする天上寺が置かれ、信仰の山として知られています。

 

天上寺(2017年4月)

 

天上寺は摩耶山の山上にあり、高い位置にあるその境内からは晴れた日であれば瀬戸内海の島々まで美しい景色を遠望できます。

 

天上寺(2017年4月)

 

646年(大化2年)、孝徳天皇の勅願により開かれたといわれています。

 

天上寺(2017年4月)


六甲・まやレジャーきっぷ

六甲山へは、六甲ケーブル、摩耶ケーブル、六甲有馬ロープウェーなどでアクセスすることができます。六甲ケーブルは六甲山観光が運営するケーブルカーであり、六甲ケーブル下駅と六甲山上駅の間1.7キロを所要時間約10分で結んでいます。

 

「六甲・まやレジャーきっぷ」表紙(2017年4月)

 

六甲山観光は、六甲ケーブルと六甲山上循環バスおよび六甲山にあるさまざまな施設を運営する会社であり、阪神電気鉄道の子会社です。その前身は六甲摩耶鉄道であり、摩耶山へのアクセス路線となる摩耶ケーブルも運営していました。2000年(平成12年)に摩耶ケーブルは神戸市都市整備公社(現在の神戸すまいまちづくり公社)へ譲渡されています。六甲ケーブル下駅は鉄道駅とは接続していませんので、最寄りの御影駅阪神電気鉄道)、六甲道駅(JR西日本)、六甲駅(阪急電鉄)から神戸市バスでアクセスする必要があります。

 

六甲山へのアクセス用切符(2017年4月)

 

アクセスには六甲・まやレジャーきっぷを利用すると便利です。

 

「六甲・まやレジャーきっぷ」表紙(2017年4月)

 

御影駅阪神電気鉄道)からのルートで行くために「阪神版」の切符を購入しました。

 

阪神電車の往復券(2017年4月)


六甲山へのアクセス

御影駅阪神電気鉄道)で降車し、駅北側のバスのりばから六甲ケーブル下行きのバスに乗車します。

 

御影駅バスターミナル(2017年4月)

神戸の観光名所が描かれるバスのシート(2017年4月)

 

御影駅阪神電気鉄道)から乗車したバスは、六甲道駅(JR西日本)、六甲駅(阪急電鉄)を経由して30分ほどで六甲ケーブル下駅に到着しました。

 

六甲ケーブル下バス停(2017年4月)

 

六甲ケーブル下駅の駅舎は山小屋風の建物になっています。

 

駅前に立つ案内板(2017年4月)

 

これは1938年(昭和13年)の豪雨災害のため以前の建物が被災し、このような建物に建て替えられています。

 

六甲ケーブル下駅駅舎(2017年4月)

 

駅舎の中はケーブルカーが走行する軌道の両側にホームが設置されており、向かって左側のホームから乗車します。

 

六甲ケーブル下駅構内(2017年4月)

 

向かって右側のホームは降車用となっています。

 

六甲ケーブル下駅構内(2017年4月)

 

山麓の六甲ケーブル下駅は豪雨災害により建て直しを余儀なくされましたが、六甲山上駅の駅舎は創業当時のまま大切に保存され、今でも使用されています。

 

創業当時のままの六甲山上駅駅舎(2017年4月)

 

駅舎内には売店がある他、六甲ケーブルに関するさまざまな資料が展示されています。昔の写真やケーブルカーの模型が展示されており、その歴史などを知ることができます。

 

駅舎横のカフェ(2017年4月)

 

六甲山上駅前より六甲山を周遊するバスが発着しています。六甲山ホテル、オルゴールミュージアム、高山植物園、カンツリーハウス、ガーデンテラスなどの六甲山関連施設を結ぶクラシックスタイルのバスを見ることができます。

 

六甲山からの眺望(2017年4月)

 

六甲ガーデンテラスは2003年(平成15年)にリニューアルオープンした六甲山上にある複合施設です。六甲山上駅から六甲山上バスでアクセスすることができます。

 

六甲山周遊バス(2017年4月)

 

また、六甲摩耶スカイシャトルバスは六甲山牧場や摩耶山天上寺などを結び、摩耶ロープウェーの山上駅へも行くことができます。

 

六甲ガーデンテラスバス停(2017年4月)

 

施設内には展望施設の他、レストランや商業施設などがあります。

 

ガーデンテラスの商業施設(2017年4月)

 

とりわけ展望施設から見渡す景色は、明石海峡から大阪平野に至るまで一望でき、関西国際空港も見ることができます。

 

ガーデンテラスの商業施設(2017年4月)

 

六甲ガーデンテラスから徒歩5分くらいのところに六甲有馬ロープウェーの六甲山頂駅があります。このロープウェーは六甲山頂と有馬温泉をわずか12分で結んでいます。ロープウェーからは季節ごとにさまざまな自然の風景を楽しむことができます。ロープウェーは現在、神戸すまいまちづくり公社が運営しています。

 

六甲有馬ロープウェー(2017年4月)

 

六甲有馬ロープウェーが設立されたのは1969年(昭和44年)のことです。1970年(昭和45年)7月に裏六甲線、8月に表六甲線の営業が開始されました。1972年(昭和47年)には、神戸市都市整備公社がこの会社よりロープウェー事業を継承しています。表六甲線は現在休止しています。

 

六甲有馬ロープウェー(2017年4月)


まやビューライン

まやビューラインは摩耶山の麓と山上を結ぶケーブル線とロープウェーから成ります。

 

摩耶ケーブル駅乗降場(2017年4月)

 

摩耶山上に向かうには、麓の摩耶ケーブル駅からケーブルに乗車し、途中駅の「虹の駅」にてロープウェーに乗り換えます。

 

「近畿の駅百選」に選ばれた摩耶ケーブル駅(2017年4月)

 

ロープウェーで山上の「星の駅」に到着すると摩耶山上となります。

 

摩耶ケーブルの線路(2017年4月)

 

摩耶ケーブル駅~虹の駅~星の駅間は「まやビューライン夢散歩」という愛称がつけられています。

 

ケーブル線「虹の駅」(2017年4月)

ロープウェー「虹の駅」(2017年4月)

山上「星の駅」入口(2017年4月)

 

山上には摩耶山掬星台(きくせいだい)があり、神戸のまちから紀伊半島まで見渡すことができます。

 

摩耶山掬星台(2017年4月)

掬星台からの眺望(2017年4月)

 

掬星台にある碑の説明によると、

手で星が掬(すく)えるほどの美しい夜景を眺望できることから、その名がつけられたといわれています。昼は市街地や港を一望でき、夜は地上に星をちりばめたような夜景が満喫できます。ここからの夜景は、長崎、函館と併せて日本三大夜景の一つに挙げられています。

とあります。

 

掬星台の石碑(2017年4月)


六甲ケーブルの歴史

六甲ケーブルは1932年(昭和7年)、六甲越有馬鉄道が土橋(現在の六甲ケーブル下)~清水~六甲山(現在の六甲山上)を開業させました。当時は途中の清水駅で乗り換えをしなければなりませんでした。その後、1938年(昭和13年)の豪雨災害「阪神大水害」による土石流のため、清水駅と土橋駅は倒壊してしまいました。すぐに仮復旧により運行を再開しましたが、1944年(昭和19年)に不要不急路線として休止を余儀なくされます。しかしながら、六甲山上に軍事施設が存在したことから、戦時中においても廃止を免れています。

1945年(昭和20年)に運行を再開し、1959年(昭和34年)には2代目となる車両を新造し、2両編成での運行を開始しました。1975年(昭和50年)になると、六甲越有馬鉄道が「摩耶ケーブル」を運営する摩耶鋼索鉄道を合併して六甲摩耶鉄道となります。1995年(平成7年)には、阪神・淡路大震災により一時運休しますが、その後すぐに復旧しています。その後、2013年(平成25年)には、六甲摩耶鉄道が六甲山関連施設を運営する阪神総合レジャーと合併し、現在の六甲山観光となっています。


まやビューラインの歴史

摩耶鋼索鉄道は1925年(大正14年)、摩耶山天上寺への参詣客を輸送するために高尾駅(現在の摩耶ケーブル駅)~摩耶駅(現在の虹駅/通称「虹の駅」)間を開業しています。ケーブルカーとしては生駒、信貴山、箱根に次いで全国で4番目に古いものです。

1929年(昭和4年)には、現在の虹の駅付近に摩耶山温泉が建設され、参詣客の他、観光客も数多く訪れるようになりました。しかし、1944年(昭和19年)に軍事転用のための設備撤去による金属供出のため運航休止を余儀なくされました。

1955年(昭和30年)に運行再開となり、2代目の車両による運行が開始されました。このとき、神戸市交通局により摩耶ロープウェーが開業しています。1973年(昭和48年)には高尾駅が摩耶ケーブル下駅と改称され、1975年(昭和50年)には摩耶鋼索鉄道は六甲越有馬鉄道と合併し、ケーブル線は六甲摩耶鉄道の路線となりました。ロープウェーは1977年(昭和52年)に神戸市都市整備公社が神戸市交通局より事業を承継しました。

ところが、1995年(平成7年)に阪神・淡路大震災によりケーブル線、ロープウェーともに運行休止となってしまいました。2000年(平成12年)にケーブル線はロープウェーを運行する神戸市都市整備公社へ無償譲渡され、2001年(平成13年)に摩耶ケーブル下駅を摩耶ケーブル駅、摩耶駅を虹駅(通称「虹の駅」)と改称しています。2013年(平成25年)には、神戸市都市整備公社が「神戸すまいまちづくり公社」と社名を変更したため、ケーブル線は「神戸すまいまちづくり公社摩耶ケーブル線」となっています。

摩耶ケーブルの線路(2017年4月)


六甲ケーブルの車両

現在使用されている車両は開業から数えて3代目の車両です。初代の車両は1932年(昭和7年)の開業当初から1958年(昭和33年)まで使用されています。

駅舎内に展示されていた初代車両のパネル(2017年4月)

2代目の車両は1959年(昭和34年)から1999年(平成11年)まで使用されました。

駅舎内に展示されていた2代目車両のパネル(2017年4月)

現在の車両は2両あり、1号車は「クラシックタイプ」、2号車は「レトロタイプ」となります。1号車は赤と緑を基調とした車両であり、2号車は阪神電車旧1形車と旧神戸市電をイメージした車両となっています。

2号車「レトロタイプ(2017年4月)

「レトロタイプ」が六甲ケーブル下駅に到着する様子(2017年4月)

車内の様子(2017年4月)


摩耶ケーブルの車両

「虹の駅」に停車する車両(2017年7月)

星座が描かれているケーブル線の座席シート(2017年4月)