羽生結弦選手を応援する人たちの聖地「弓弦羽神社」

弓弦羽神社の手水舎(2019年2月)


弓弦羽神社の由来

神功皇后(じんぐうこうごう)による三韓征伐の帰途、忍熊(おしくま)王が兵を挙げたことを知って、この地で弓矢と甲冑を納めて戦勝を祈願しました。弓矢および甲冑を納めたことから、神社の背後にある山を弓弦羽岳または武庫山と呼称されるようになり、後に現在の六甲山の文字があてられたとされます。

弓弦羽(ゆづるは)神社は平安時代、桓武天皇の頃(790年頃)に現在の神社の場所となった弓弦羽の森を神領地と定めて、849年(嘉祥2年)に造営されたと伝えられます。熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)に祀られる神である伊弉冉尊(那智大社)、事解之男命(本宮大社)、速玉之男命(速玉大社)を祀っており、平安時代の中期以降には熊野信仰の隆盛により崇敬を集めてきました。

フィギュアスケートの羽生結弦選手が、そのファンから自身の名前と似た弓弦羽神社の存在を知って参拝したこともあることから、現在では弓弦羽神社羽生結弦選手を応援する人たちの「聖地」とよばれるようにもなっています。

弓弦羽神社(2019年2月)


弓弦羽神社の境内

鳥居をくぐるとすぐに神戸で最も大きいといわれるムクノキがそびえ立ちます。

樹齢370年のムクノキ(2019年2月)

ムクノキの樹齢は370年、胸高周囲4メートル30センチ、根まわり5メートル、樹高16メートル、枝張り17メートルとなっています。

樹齢370年のムクノキ(2019年2月)

このムクノキは神戸市の天然記念物に指定されており、現在では「努力がむくわれる」「想いや願いがむくわれる」として祈願する人もいます。

手水舎(2019年2月)

手水舎の隣りには愛犬専用の水飲み場もあります。

愛犬専用水飲み場(2019年2月)

社務所の隣りではマスコットのゆづ丸君が出迎えてくれます。

ゆづ丸君(2019年2月)


弓弦羽神社の最寄り駅

弓弦羽神社阪急御影駅からは南東方向へ徒歩5分、JR住吉駅からは北西方向へ徒歩10分、阪神御影駅からは北方向へ徒歩15分ほどです。

御影駅を出発する阪神電車(2017年4月)

このうち最も近い「阪急御影駅」こと御影駅阪急電鉄)は1920年(大正9年)に当時の阪神急行電鉄神戸線開通と同時に開業しています。駅近辺には豪邸が多く、神戸市内随一の高級住宅地となっています。

阪急御影駅駅舎(2019年2月)

JR住吉駅」こと住吉駅(JR西日本)は1874年(明治7年)に官設鉄道の西ノ宮駅(現在の西宮駅)~三ノ宮駅間に設置されました。1895年(明治28年)に線路名称が制定されたため東海道線(現在の東海道本線)の所属となり、1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となっています。

阪急御影駅ホームの屋根の上に見える何かの小さな建物(2019年2月)

阪神御影駅」こと御影駅阪神電気鉄道)は同じ駅名でありながら、阪急御影駅とは1.2キロほど離れており、その移動には徒歩15分ほどかかるため乗換駅とはなりません。阪神御影駅は1905年(明治38年)の阪神本線開通と同時に開業しています。この駅から弓弦羽神社へアクセスする場合には、改札口を出て北上し、国道2号線(東灘警察署前)を越え、JR線の高架下をくぐります。兼安公園があり弓弦羽神社の文字が見えます。

兼安公園(2019年2月)

兼安公園の中の斜めの道を抜けていくと少し広い通りへと出ますが、通りの向こう側に弓弦羽神社の文字を見つけることができます。

まもなく弓弦羽神社(2019年2月)

しばらく歩くと弓弦羽神社の鳥居が見えます。

弓弦羽神社(2019年2月)