1.国鉄の鉄道線路名称 2.鉄道線路名称とその愛称
東京駅丸の内駅舎(2019年3月)
国鉄の鉄道線路名称
国鉄の線路名称は、1909年(明治42年)に公布された「国有鉄道線路名称(明治42年鉄道院告示第54号)」により定められました。ここでは、大区分となる「部」と小区分となる「線」を設定しています。
東京駅丸の内駅舎の天井(2019年3月)
たとえば、東海道本線についてみると、当初は東京~神戸間を「東海道本線」とよび、東海道本線に加えて山手線、鶴見線、御殿場線、福知山線などの支線を含めて「東海道線」としていました。
山手線(2020年7月)
すなわち、支線を含めた「東海道線」が大区分となる「部」であり、その中に東海道本線、山手線、鶴見線、御殿場線、福知山線などの小区分となる「線」があるというものです。
京都駅付近から滋賀方面を見る(2019年1月)
また、小区分の筆頭となる「線」については「東海道本線」のように「本線」と設定されます。ただし、支線をもたない場合は「本線」となることができませんでした。
山崎駅を出発する普通列車(2017年4月)
その後、変更が実施されるなどして、国鉄分割民営化後はJR各社がそれぞれのその線路名称を引き継いだり、独自に名称を定めたりしながら現在に至ります。
東京駅(2019年3月)
東海道線についてみると、国鉄分割民営化の際に「東海道本線」のみを「東海道線」と定めたようですが、現在では「東海道本線」「東海道線」のいずれの名称も従来の「東海道本線」に対して用いられています。
大阪駅に停車する223系車両(2017年2月)
鉄道線路名称とその愛称
近年ではJR各社がそれぞれに愛称を定めている例も見受けられます。たとえば、JR西日本では、北陸本線の長浜~米原間および東海道本線の米原~京都間を「琵琶湖線」、東海道本線のうち京都~大阪間を「JR京都線」、東海道本線の大阪~神戸間および山陽本線の神戸~姫路間を「JR神戸線」、京都~園部間(山陰本線)には「嵯峨野線」などと愛称を付し、駅においても愛称で案内などをしています。
山崎駅に到着する「京都行き」普通列車(2017年4月)
JR西日本が「JR京都線」および「琵琶湖線」の愛称を用いるようになったのは1988年(昭和63年)からです。JR京都線については、すでにこの時点で阪急京都線および近鉄京都線があったことから混同しないように「JR」と冠することになりました。
米原駅に停車する東海道本線の車両(2017年8月)
琵琶湖線については、地元などからの要望もありこの愛称としました。その後、1991年(平成3年)に田村~長浜間(北陸本線の一部)が交流電化から直流電化へと変更されたため、米原~田村~長浜間も琵琶湖線に加えられることになりました。なお、現在では、長浜~敦賀間も直流電化へと変更されていますが、この区間については琵琶湖線に加えられていません。