左沢線(フルーツライン左沢線)の歴史

左沢線を走るキハ101系(2020年1月)

1.左沢線の歴史
2.フルーツライン左沢線

▼左沢線(北山形~左沢間)

(∇山形
∇北山形
∇東金井(ひがしかない)
∇羽前山辺
∇羽前金沢(うぜんかねざわ)
∇羽前長崎
∇南寒河江
∇寒河江(さがえ)
∇西寒河江
∇羽前高松
∇柴橋
∇左沢(あてらざわ)


左沢線の歴史

現在の山形県大江町の中心地区となる左沢は「あてらざわ」と読み、難読地名の一つとなっています。その地名の由来には諸説あるそうですが、『出羽國風土略記」によると最上川の右岸を「こちらの沢」、左岸を「あちらの沢」としたことに由来するといいます。

山形駅に停車する「左沢行き」の列車(2020年1月)

左沢線の歴史は1921年(大正10年)、山形~羽前長崎間が左沢軽便線として開業したことにはじまります。そして、同年に羽前長崎~寒河江間を延伸開業しました。1922年(大正11年)には寒河江~左沢間を延伸開業して全通となり、同年に山形~左沢間を左沢線と改称しました。

山形駅に停車する「寒河江行き」の列車(2020年1月)

このように、国鉄時代には山形駅を起点としていましたが、山形~北山形間は奥羽本線にも属する重複区間であったため、左沢線の起点は後に北山形駅に変更されています。ただし、運行上は現在でも山形駅を起点としています。

山形駅に停車する6番線(左沢線)と7番線(仙山線)の車両(2020年1月)

左沢線はもともと軽便鉄道として敷設されたため、その軌間は1,067ミリとなっています。したがって、奥羽本線の軌間1,453ミリと異なるため、重複区間となる山形~北山形間においても、左沢線奥羽本線とは異なる独立した線路の上を走ります。

手前が奥羽本線、奥が左沢線の線路(2020年1月)


フルーツライン左沢線

左沢線の沿線ではさくらんぼや洋ナシなどの生産が盛んなことから、JR東日本は「フルーツライン左沢線」の愛称を付しています。左沢線は通学の高校生が多く利用しますが、彼らの間では通称「ざわせん」とよばれているそうです。車両側面にはロゴマークが描かれていますが、これは月山(がっさん)・羽黒山・湯殿山(出羽三山)と最上川を模した図形となっています。

車両に描かれるロゴマーク(2020年1月)

左沢線に使用される車両はキハ101系ですが、この車両は左沢線でしか見ることができません。その車両側面には「FRUITS LINER」の文字が描かれています。

車両に描かれる「FRUITS LINER」の文字(2020年1月)