1.青の交響曲(シンフォニー) 2.22000系(ACE) 3.名阪特急 4.ビスタカー 5.さくらライナー 6.伊勢志摩ライナー
狛田駅を通過する近鉄特急(2018年10月)
青の交響曲(シンフォニー)
近鉄特急「青の交響曲(シンフォニー)」は2016年(平成28年)、近鉄南大阪線・吉野線を走る特急としてデビューしました。
吉野駅に到着する「青の交響曲(シンフォニー)」(2016年10月)
大阪阿部野橋~吉野間を結ぶ観光特急であり、その車両のボディーカラーは落ち着いた濃紺色となっています。
吉野駅に停車する「青の交響曲(シンフォニー)」(2016年10月)
「青の交響曲(シンフォニー)」は大人が旅するために作られた車両であり、特別な時間をゆったり過ごすことができ、車内も上質な空間となっています。
「青の交響曲(シンフォニー)」のシンボルマーク(2016年10月)
そのシートは山々の稜線をイメージした緑色となっており、広いシートの座り心地は最高にリラックスできます。
車内の様子(2016年10月)
手すりや肘掛けなどの木製部分は、奈良県産の竹材が使用されています。
車内の様子(2016年10月)
車内の照明も落ち着いた雰囲気で、やさしく包み込んでくれます。
車内の照明器具(2016年10月)
また、ライブラリーのコーナーがあり、写真集や歴史に関する本、沿線に関連する書籍が並べられています。
ライブラリーのコーナー(2016年10月)
ラウンジスペースの車両内に設置されるバーカウンターでは、スイーツや地酒、オリジナルグッズなどを販売しています。
車内で販売していたジェラート(2016年10月)
また、吉野杉で作られた運行開始記念乗車証もこのコーナーでもらうことができました。
運行開始記念乗車証(2016年10月)
沿線には吉野をはじめとして、飛鳥、洞川温泉、みたらい渓谷など魅力的な観光地があります。
吉野駅に停車する「青の交響曲(シンフォニー)」(2016年10月)
また、車窓からは美しい風景を見ることができます。四季の彩りを感じられるように車窓はとても大きく作られています。
大きな車窓(2016年10月)
大阪阿部野橋~吉野間の料金は運賃の他、特急料金、特別車両料金が必要となります。
近鉄特急「青の交響曲(シンフォニー)」(2016年10月)
贅沢を感じられる車両でありながら、特急料金、特別車両料金ともに高くはありません。
近鉄特急券(2016年10月)
近鉄の主要駅ではそのデビューを記念して入場券セットを販売していました。
運行記念入場券セット(2016年10月)
22000系(ACE)
22000系(ACE)は1992年(平成4年)、将来のスピード時代の主役となる汎用特急として登場しました。
近鉄奈良駅に到着する22000系(2017年12月)
それまで汎用特急車両として使用されてきた10400系・11400系との置き換え車両となるものであり、その内装は21000系・26000系のデザインを引き継ぎながらも座席構造がリニューアルされました。
車内の様子(2017年12月)
22000系(ACE)は1992年(平成4年)にグッドデザイン賞を受賞しています。
近鉄奈良駅に到着する特急「京都行き」(2017年12月)
名阪特急
「名阪特急」こと大阪難波・大阪上本町~近鉄名古屋間を結ぶ特急は、近鉄特急の中でも歴史は古く1947年(昭和22年)に運転を開始しています。また、日本民鉄史上初の座席指定制有料特急として、その名を歴史に刻んでいます。
上本町駅に到着する特急「名古屋行き」(2017年12月)
運転開始当時は大阪線の軌間が1,435ミリ、名古屋線の軌間が1,067ミリであったため、途中の伊勢中川駅で車両の乗り換えをしなければなりませんでした。しかし、1959年(昭和34年)に名古屋線が改軌されたので、10100系により乗り換えなしの名阪特急の運行を実現しています。さらに、1961年(昭和36年)には中川短絡線が敷設されたので、伊勢中川駅へ乗り入れしてスイッチバックする必要がなくなり、まさに「直通特急」となりました。
特急運転30周年記念切符
ビスタカー
2階建て特急車両を日本で最初に走らせたのは近畿日本鉄道です。1958年(昭和33年)に2階建て車両である初代ビスタカー10000系を投入し、1959年(昭和34年)には10100系を投入しています。10000系が投入されるきっかけとなったのは、大阪~名古屋間を結ぶ路線として競合する国鉄による新性能電車の導入計画があったことによります。この10000系はその危機感から導入され、翌年には本格的な名阪特急として10100系を量産タイプとして追加投入しています。この10100系は名阪ノンストップ特急としてその立役者となりました。
特急運転30周年記念切符
10000系は7両編成のうち2両を2階建て車両とし、屋根の一部をドームにした構造となっていました。2階建て車両の2階部分は定員が22人としており、座席の片側は1人用座席となっていました。10100系は3車体連接となる車両の中間車体を2階建てとしており、2階部分の定員は32人に増員しています。一方で、2階建て車両の1階部分にはトイレと3車体分の冷房装置を設置したため、座席定員は16人となってしまいました。
特急運転30周年記念切符
これらのビスタカーが国鉄に対してアドバンテージを得たのは、日本初の2階建て特急車両であるということ、標準軌を生かした空間的に余裕のある車両サイズであるということ、名阪間を2時間半で結ぶという速達性があるということでした。これにより、東海道新幹線が開通する以前の名阪間において、近畿日本鉄道は圧倒的優位な立場となりました。
30000系ビスタカー記念特別急行券
1978年(昭和53年)には、3代目のビスタカーとなる30000系が投入され、2代目ビスタカーとして活躍した10100系は1979年(昭和54年)に全廃となってしまいました。
30000系ビスタカー記念特別急行券
さくらライナー
大阪阿部野橋~吉野間を結ぶ近畿日本鉄道の「吉野特急」は1965年(昭和40年)に登場しましたが、その25周年を記念して1990年(平成2年)に「さくらライナー」がデビューしました。
吉野特急「さくらライナー」のロゴ(2016年10月)
その「さくらライナー」のリニューアル車両が2011年(平成23年)に登場し、現在の「さくらライナー」として大阪阿部野橋~吉野間を走っています。
「さくらライナー」のリニューアル車両(2016年10月)
車内の様子(2016年10月)
さくらライナー(2016年10月)
伊勢志摩ライナー
伊勢志摩ライナーは1994年(平成6年)、志摩スペイン村の開業に合わせて大阪・名古屋~伊勢志摩間を結ぶ特急としてデビューしました。2012年(平成24年)には18年ぶりにリニューアルを果たし、伊勢志摩の太陽と陽射しを表現した赤色と黄色の2種類のカラーリングとなりました。
赤色の「伊勢志摩ライナー」(2017年11月)