関東鉄道竜ヶ崎線「まいりゅう号」(2024年5月)
「まいりゅう」は茨城県龍ケ崎市の公式マスコットキャラクターです。龍ケ崎市の伝統行事である「撞舞(つくまい)」と市名を組合わせて「まいりゅう」と名付けられたものです。そのキャラクターを描いた竜ヶ崎線のラッピングトレインが「まいりゅう号」です。
関東鉄道竜ヶ崎線「まいりゅう号」(2024年5月)
3代目「まいりゅう号」は2023年(令和5年)1月より運行を開始しています。そのデザインは春夏秋冬4つの季節が描かれており、それぞれ季節ごとに龍ケ崎市内の4つの高校が分担して描いているそうです。
竜ヶ崎駅前の風景(2024年5月)
竜ヶ崎線の終点となる竜ヶ崎駅前には懐かしい昭和の風景が残ります。
竜ヶ崎駅構内(2024年5月)
広瀬アリスさんが主演するドラマで、2024年(令和6年)4月よりフジテレビで放映される『366日』は、HYの名曲『366日』に着想を得たラブストーリーです。ドラマのロケが龍ケ崎市で行われた他、劇中アイテムとして「まいりゅう」も登場しています。
竜ヶ崎駅に停車する車両(2024年5月)
竜ヶ崎線は、龍ケ崎市内にある佐貫駅、入地(いれじ)駅、竜ヶ崎駅の3駅を結ぶ関東鉄道の路線であり、路線総延長わずか4.5キロの短い路線です。始点となる佐貫駅は常磐線の龍ケ崎市駅と連絡しており、乗換駅となっています。
関東鉄道佐貫駅とJR龍ケ崎市駅の乗換口(2023年12月)
常磐線の龍ケ崎市駅は、日本鉄道が1900年(明治33年)に開業して以来、「佐貫駅」という駅名でしたが、2020年(令和2年)に「龍ケ崎市駅」と改称しました。
龍ケ崎市駅に展示される駅名改称記念5000羽鶴文字(2024年5月)
関東鉄道の佐貫駅は同じく1900年(明治33年)に龍崎鉄道が開業して以来、現在も「佐貫駅」として周辺の地名を残した駅名となっています。
関東鉄道佐貫駅(2024年5月)
佐貫駅を開業した龍崎鉄道は、1900年(明治33年)に「茨城県内最古の私鉄路線」として佐貫~竜ヶ崎間(現在の竜ヶ崎線)を開業した鉄道会社です。
現在の竜ヶ崎駅駅舎(2024年5月)
そのルーツは、1898年(明治31年)に龍崎馬車鉄道が設立されたことに遡りますが、当初は龍ケ崎と藤代駅の間を馬車鉄道が結ぶ予定でした。
龍ケ崎市駅駅名標(2023年12月)
この計画は後に変更され、常磐線との最短距離となる佐貫駅と結ぶことになり、また馬車鉄道から小型蒸気機関車による軽便鉄道へと変更されます。
竜ヶ崎線の車内(2024年5月)
このとき、社名を「龍崎馬車鉄道」から「龍崎鉄道」に変更しています。その後、いくつかの合併などを経て、関東鉄道の路線となっています。
関東鉄道設立までの鉄道各社の歴史
開業当時は、佐貫、南中島(みなみなかじま)、門倉(かどくら)、龍ケ崎の4駅としましたが、開業翌年に入地駅を新設して5駅としました。
入地駅駅名標(2024年5月)
現在の入地駅のホームには、次のような立札があります。
「入地」。「地」…地力をつけて。「入」…入学(入社)する。受験生にとって、とても縁起のよい駅名である。そんな入地駅で受験生が入地駅に設置された黒板に数字の「5」を書くと、「5を書く」→「ごをかく」→「ごうかく」→「合格」。「合格(5を書く)」するかしないかはあなた次第です。
入地駅の合格祈願(2024年5月)
その後、1957年(昭和32年)に南中島駅と門倉駅を廃止し、現存する3駅となりました。竜ヶ崎線はかつては、肥料、米、繭、石炭などの貨物も運搬し、市の産業発展に大きな役割を果たしました。
B級ご当地グルメ「龍ケ崎コロッケ」を模した車内の吊り革(2024年5月)