偕楽園の最寄り駅となるのは常磐線の偕楽園駅ですが、偕楽園駅は臨時駅なのでイベント「水戸梅まつり」の期間中のみの停車となります。
品川駅に停車する特急「ときわ」(2019年1月)
普通列車だけではなく、常磐線特急「ひたち」「ときわ」も停車しますが、下り方面行きしかホームがありませんので、東京方面への上り方面行き列車は停車することができません。偕楽園駅を出れば、偕楽園は目の前にあります。
偕楽園駅駅名標(2021年2月)
お隣りの水戸駅からは、茨城交通(水戸駅北口4番バスのりば)や関東鉄道(水戸駅北口6番バスのりば)の路線バスが運行されています。茨城交通のバス停は常磐神社の近く、関東鉄道のバス停は偕楽園駅の近くとなります。いずれも「水戸梅まつり」の期間中は増便されます。
ライトアップされた園内から見上げる月(2022年2月)
偕楽園の歴史
「偕楽園(かいらくえん)」の名には、「民ととも(偕)に楽しむ場所」という徳川斉昭(なりあき)の思いが込められているといいます。徳川斉昭は第9代水戸藩主であり、「日本三名園」の一つとなる「偕楽園」を造園した人物です。同じく徳川斉昭が創設した水戸藩の藩校「弘道館」が修業の場であるのに対して、偕楽園は修業の合間に心身を休める場として作られ、相互に補完し合う一対の教育施設となっています。
好文亭(2022年2月)
「日本三名園」のうち、兼六園(金沢)はその前身となる「蓮池庭」が1676年(延宝4年)が作られ、後楽園(岡山)は1700年(元禄13年)に「御後園」として完成し、水戸の偕楽園は1842年(天保13年)に造園されました。
ライトアップされる園内の木々(2022年2月)
偕楽園は明治時代に入った後、1873年(明治6年)に「常磐公園」と称され、茨城県が管理することになりました。1874年(明治7年)には園内に常磐神社が建立されます。1932年(昭和7年)になると「偕楽園」に名称を変更しますが、1948年(昭和23年)に「偕楽園公園」となり、1957年(昭和32年)に三度「偕楽園」と称することになりました。
ライトアップされる園内の木々(2022年2月)
2015年(平成27年)には「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源―」として日本遺産に認定されました。そして、2022年(令和4年)には開園から数えて180周年を迎えることになりました。
ライトアップされる園内の小径(2022年2月)
偕楽園の魅力
偕楽園では毎年「水戸梅まつり」が開催されます。2022年(令和4年)の梅まつりは「第126回」となり、その歴史は120年を越えるイベントとなっています。庭園内には約100品種、3000本の梅が植えられていて、全国的にも梅の名所として知られています。また、園内には好文亭とよばれる建物がありますが、「好文」は梅の異名となります。好文亭は1945年(昭和20年)に空襲により全焼してしまい、現存する建物は昭和30年代前半に復元されたものです。
好文亭(2022年2月)
2022年(令和4年)には、偕楽園開園180年を記念してチームラボによる「偕楽園光の祭」が開催されました。
チームラボによる演出される幻想的な空間(2022年2月)
チームラボはデジタルテクノロジーを用いて、自然を壊すことなくアート空間をつくるというアートプロジェクトを行っています。昼間の偕楽園とは異なる幻想的な偕楽園が演出されています。
チームラボによる演出される幻想的な空間(2022年2月)