新交通システム「ニュートラム」

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大阪市営交通創業75周年記念切符
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新交通システム

「新交通システム」は自動運転を目指した都市公共交通機関をさす日本における独特の用語であり、バスや路面電車、地下鉄の短所を改善した交通システム全般をさします。近年では、日本においてその普及が進んでいる自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT)と同じ意味で使用されることが多くなっています。「自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT)」は「Automated Guideway Transit」の略であり、自動運転によって専用軌道をゴムタイヤで走行する中量軌道輸送システムの一種とされています。中量軌道輸送システムについても、新交通システムと同様にあいまいな用語であり、地下鉄などの都市公共交通機関と路面電車などの中間の路線輸送量をもつ交通機関をさします。

「案内軌条式鉄道」はモノレールと同じくゴムタイヤを履いた車両を用いて、側面中央のガイドによって走行させる鉄道をさします。モノレールと同じくゴムタイヤで走行しているため混同してしまいがちですが、案内軌条式鉄道はモノレールにおける跨座式鉄道のように1本のレールの上を走行するというよりも、道路上を走行する自動車のようなイメージとなります。この案内軌条式鉄道のことを「新交通システム」と呼称することもあります。ゴムタイヤを履いているため騒音や振動が少なく乗り心地が良いというメリットがある一方、建設費が高価になるというデメリットがあります。こうした鉄道にはゆりかもめ(東京)、ニュートラム(大阪)、ポートライナー(神戸)などがあります。


ニュートラム

「ニュートラム」という愛称をもつ南港ポートタウン線は住之江公園~コスモスクエア間を結ぶ路線であり、新交通システムの一つです。ニュートラムの車輪は車のようなゴムタイヤを採用しているので、騒音や振動を防止することができます。また、電力で走行するので、バスに比べると大気汚染を防止することもでき、環境に配慮した新交通システムといえます。地下鉄とバスの中間の輸送力を持っており、高架専用軌道を乗務員なしの自動運転で走行します。大阪市では市電市バス地下鉄トロリーバスに次いで第5番目の交通機関となりました。

ニュートラムの歴史についてみると、1981年(昭和56年)に中ふ頭~住之江公園間の運行を開始しました。当初は乗務員が乗車していましたが、1991年(平成3年)より乗務員なしの無人運転を開始しています。1997年(平成9年)になると、OTS(大阪港トランスポートシステム)ニュートラムテクノポート線のコスモスクエア~中ふ頭間が開業して相互直通運転を開始します。2005年(平成17年)になると、ニュートラムテクノポート線を編入し、2018年(平成30年)に大阪市営地下鉄の民営化とともに大阪市高速電気軌道南港ポートタウン線となりました。