茨城県フラワーパーク「イルミネーションの入園券」(2020年1月)
石岡のまちには大化の改新の頃から人々が往来し、奈良時代には常陸国の国府が置かれました。『常陸国風土記』は713年(和銅6年)の詔により国司が常陸国の風土について記したものですが、現存する風土記は『常陸国風土記』の他、播磨、出雲、豊後、肥前の5か国のものだけです。
茨城県フラワーパーク「花束のオブジェ」(2020年1月)
『常陸国風土記』は養老年間(717年~724年)に完成したとされますが、この編者としては当時、常陸国の国司として中央政府から派遣されていた藤原宇合(うまかい)と考えられています。藤原宇合は藤原不比等の子であり、大化の改新の中心人物となった中臣鎌足の孫にあたります。常陸国府跡は平成時代の発掘調査により発見され、現在の石岡小学校の敷地内にあります。石岡小学校から東へ1キロほどの場所に石岡駅があります。
茨城県フラワーパーク「イルミネーション」(2020年1月)
石岡駅の歴史をみると、1895年(明治28年)に日本鉄道の駅として開業し、その後国鉄の駅となりました。1924年(大正13年)には鹿島参宮鉄道(後の鹿島鉄道線)の石岡~常陸小川間が開業し、石岡駅は乗換駅となりました。現在の石岡駅は1面1線をもつ単式ホームと1面2線をもつ島式ホームとなっていますが、かつて乗り入れていた鹿島鉄道線は2007年(平成19年)にすでに廃止となっています。
品川駅に停車する常磐線の車両(2019年1月)
石岡市にある茨城県フラワーパークは約30ヘクタールもの広大な面積をもつ花と緑の公園です。広大な敷地内にはバラテラス・品種園、ボタン園、シャガ園、アジサイ園、やまゆり園、ダリア園、福寿草園などがあります。
茨城県フラワーパーク(2020年1月)
花が少ない冬季にはイルミネーションの企画などもあり、最近では「恋人の聖地」などともよばれることがあります。都心部のスポットと比べると来園者もそんなに多くないので、ゆっくりとイルミネーションを楽しむことができます。園内の中央には「きらめくブーケの園」のエリアがあり、ブルーに輝くビックアーチが印象的です。ビックアーチの周辺はまるで光の海のようです。
きらめくブーケの園(2020年1月)
「冬の天の川」のエリアは約100メートルの光のトンネルがあり、中央の花束のオブジェと記念撮影ができるようになっています。
光のトンネル(2020年1月)
茨城県フラワーパークへは石岡駅よりフラワーパーク経由の柿岡車庫行きの関鉄グリーンバス(石岡駅関鉄グリーンバス1番のりば)に乗車し、約30分で到着します。車の場合は常磐自動車道の千代田石岡ICまたは石岡小美玉スマートICより約20分、土浦北ICより約15分、北関東自動車道の笠間西ICより約25分で到着します。敷地内には約900台を駐車できる無料駐車場があります。
駐車場と周辺の自然豊かな風景(2020年1月)
茨城空港は2010年(平成22年)に開港しました。この空港はもともと航空自衛隊百里飛行場であり、これを民間共用化したものです。札幌、神戸、福岡、長崎、鹿児島、那覇、下地島、台北、上海、西安との間を結んでいます。
茨城空港ターミナルビル(2020年6月)
茨城空港は茨城県小美玉市に所在します。小美玉市は2006年(平成18年)に小川町、美野里町、玉里村が合併して成立しました。
ゆるキャラ「ねば~る君」(2020年6月)
茨城空港近辺には鉄道駅がありませんので、鉄道でアクセスすることはできません。ただし、車でアクセスするにはとても便利な場所にあり、(東関東道)茨城空港北IC、(常磐自動車道)石岡小美玉スマートIC、千代田石岡ICなどからアクセスできます。空港駐車場の料金も無料となっています。
茨城空港駐車場(2020年6月)
また、茨城県の各地からバスによるアクセスも可能です。最寄り駅となる石岡駅の他、羽鳥駅、水戸駅、新鉾田駅などと茨城空港もバスで結ばれています。東京およびつくばからのバスは当面の間、運休となっています。
茨城空港へのバス路線図
地図内に小川駅とありますが、これは鉄道駅ではなく「かしてつバス(鹿島鉄道線廃止代替バス)」の停留所です。ここはかつて鹿島鉄道鹿島鉄道線(旧関東鉄道鉾田線)の常陸小川駅のあった場所であり、鉄道駅は2007年(平成19年)に鹿島鉄道線の廃止とともに廃駅となっています。
茨城空港ターミナルビル(2020年6月)
茨城空港ターミナルビル南側には茨城空港公園が隣接します。ここには自衛隊の「RF-4EJ戦術偵察機」と「F-4EJ改要撃戦闘機」の2機が展示されています。
RF-4EJ戦術偵察機(2020年6月)
RF-4EJ戦術偵察機は、戦闘機に偵察機器を装備した偵察機転用機です。偵察航空隊は百里基地に所在する航空自衛隊唯一の偵察機部隊です。展示機は1991年(平成3年)に偵察機への改修が行われたものであり、東京~大阪(約500キロ)間ならば11分程度で飛ぶことができます。
F-4EJ改要撃戦闘機(2020年6月)
F-4EJ改要撃戦闘機は要撃戦闘能力や対地対艦攻撃能力に優れています。これはF-4EJ戦闘機を改修したものであり、レーダーなどの能力が向上しました。この機体も東京~大阪(約500キロ)間ならば11分程度で飛ぶことができます。
茨城空港(2020年6月)
また、茨城空港公園内には小高い丘があり滑走路を眺めることができます。飛行機の離着陸する様子もよく見えます。
茨城空港開港記念碑の後ろに小高い丘が見える(2020年6月)
茨城空港のすぐ近くに空のえき「そ・ら・ら」があります。小美玉市は農業や酪農が盛んなまちですが、「そ・ら・ら」の物産館では小美玉市の特産品などを販売しています。
空のえき「そ・ら・ら」駐車場(2020年6月)
「そ・ら・ら」には農産物直売所もあり、小美玉市の農家で育てられた野菜などが販売されています。
空のえき「そ・ら・ら」(2020年6月)