東北新幹線・山形新幹線・秋田新幹線・奥羽本線・左沢線[JR東日本]/阿武隈急行線[阿武隈急行]/飯坂線[福島交通]

投稿者: | 2019-08-15

東北新幹線

東北新幹線(東京—上野—大宮—小山—宇都宮—那須塩原—新白河—郡山—福島—白石蔵王—仙台—古川—くりこま高原—一ノ関—水沢江刺—北上—新花巻—盛岡—いわて沼宮内—二戸—八戸—七戸十和田—新青森)が開業したのは1982年(昭和57年)のことです。

仙台行き最終列車「やまびこ249号」(2019年1月)

現在でははやぶさE5系が東京~新青森間を最短2時間59分で結んでいます。

仙台駅の行先表示板(2017年1月)


新白河駅

新白河駅はもともと1959年(昭和34年)、信号場から駅に昇格して磐城西郷(いわきにしごう)駅として開業したものです。1982年(昭和57年)に東北新幹線が開業した際に「新白河駅」と改称しました。


白石蔵王駅

白石蔵王(しろいしざおう)駅は1982年(昭和57年)、東北新幹線開通と同時に開業しています。白石蔵王駅から車で8分ほどの場所に白石城があります。

白石城(2019年4月)

白石城は別名「益岡城」「桝岡城」ともよび、白石市の中心部にある平山城です。仙台藩の南の要であり、明治時代の初めまで伊達家の重臣であった片倉氏の居城となっていました。1874年(明治7年)に解体されますが、1995年(平成7年)に天守閣(三階櫓)が復元されています。


阿武隈急行線

「阿武急」と称される阿武隈急行は1984年(昭和59年)に設立された鉄道会社であり、1968年(昭和43年)に開業した国鉄丸森線(槻木~丸森間)を1986年(昭和61年)に継承して「阿武隈急行線」としました。

阿武隈急行線と福島交通飯坂線(2020年1月)


福島交通飯坂線

福島交通飯坂(いいざか)線は福島~飯坂温泉館を結ぶ路線であり、「飯坂電車」「いい電」とよばれています。


山形新幹線

山形新幹線は奥羽本線上を走るミニ新幹線であり、奥羽本線上の在来線(福島~新庄間)は山形新幹線と区別して「山形線」という愛称が設定されています。

山形新幹線「つばさ」(2020年1月)
 


山形線(奥羽本線)と山形駅

山形駅は1901年(明治34年)、官鉄が米沢駅より延伸された際にその終着駅として開業したものであり、1909年(明治42年)には線路名称が制定されて奥羽本線の駅となりました。

山形駅駅名標(2020年1月)

山形駅ホーム(2020年1月)
 

1921年(大正10年)には左沢軽便線(現在の左沢線)、1933年(昭和8年)には仙山西線(現在の仙山線)が開業し、現在はそれぞれの起終点が北山形駅、羽前千歳駅となっているものの、いずれも山形駅まで乗り入れています。

奥羽本線を走る719系(2020年1月)
 

したがって、山形新幹線を除くと山形駅には奥羽本線(愛称「山形線」)左沢線仙山線の3線が乗り入れていることになりますが、線路名称上では奥羽本線のみが乗り入れていることになります。

719系車両「米沢行き」(2020年1月)

ミニ新幹線とは新幹線規格(フル規格)の線路を新設せずに、すでに敷設されている在来線を改軌した上で新幹線と在来線の直通運転を実現した方式です。

「つばさ」の先頭車両(2020年1月)
 

すなわち、在来線に幅の広い新幹線用のレールを敷き直した上で、在来線のホームやトンネルなどの施設に対応できる新幹線車両を開発したものです。これを新在直通運転とよんでいます。逆にいうと、フル規格の新幹線の車両では車体が大きすぎて、在来線との直通運転は不可能ということになります。

ミニ新幹線「つばさ」の車体(2020年1月)
 

山形新幹線は1992年(平成4年)に福島~山形間が開業し、1999年(平成11年)には新庄駅まで延伸されています。

山形新幹線「つばさ」(2020年1月)
 

東北新幹線を経由して山形新幹線へと乗り入れる東京~新庄間のE3系「つばさ」は、東京~福島間においてはE2系「やまびこ」に併結して走行します。

E3系(左)とE2系の連結(2016年8月)
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E3系は400系に次ぐ新在直通運転第2号車両として1997年(平成9年)にデビューし、最高時速275キロで走行することが可能となっています。

E3系(2020年1月)
 

400系山形新幹線の福島~山形間の開業と同時に開発された新在直通運転第1号車両であり、最高速度は東北新幹線内では240キロ、山形新幹線内では130キロとなっています。2010年(平成22年)をもって営業運転を終了しています。

 東京駅に停車するE3系(2016年8月)
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E3系は以前、秋田新幹線「こまち」として運行されていたこともありますが、2014年(平成26年)をもって秋田新幹線「こまち」としての営業運転は終了しました。

東京駅に停車するE3系(2016年8月)
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秋田新幹線

「赤い新幹線」E6系がデビューしたのは2013年(平成25年)のことであり、新幹線と在来線を直通運転で結ぶ秋田新幹線「こまち」用車両です。2014年(平成26年)にはすべての車両がE6系へと置き換えられており、東京~秋田間を最短3時間37分で結びます。秋田新幹線は1997年(平成9年)に開業していますが、盛岡駅からは在来線の田沢湖線(盛岡~大曲)・奥羽本線(大曲~秋田)を経由して秋田駅へと向かいます。在来線を走る盛岡~秋田間は営業上、在来線特急扱いとなります。

仙台駅に停車するE6系(赤)とE5系(2016年12月)


東京駅に停車する「East i」(2018年9月)


新幹線E926形「イーストアイ(East i)」

JR東海のドクターイエローは「新幹線のお医者さん」ともいわれ、その黄色い新幹線は子どもたちの人気の的となっています。その「ドクターイエロー」という名は通称であり、正式には新幹線電気・軌道総合試験車といいます。新幹線と同じように高速で走行し、レールの歪みや架線の状態、信号設備などの検測を実施します。

東京駅を行きかう新幹線(2019年3月)

その「ドクターイエロー」ほど知名度はありませんが、JR東日本にも新幹線電気・軌道総合試験車があります。JR東日本の新幹線電気・軌道総合試験車である新幹線E926形には「East i(イーストアイ)」という愛称が付けられています。East i(イーストアイ)の「i」は「intelligent」「integrated」「inspection」を表します

運転席の下に「East i」の文字が見える(2018年9月)

East i(イーストアイ)の車体は白い車体に赤い帯というシンプルなデザインとなっており、ドクターイエローのように全身が黄色という派手なデザインとは大きく異なります。

白い車体に赤い帯が映える(2018年9月)

East i(イーストアイ)の守備範囲は広く、東北新幹線・山形新幹線・秋田新幹線・北海道新幹線・上越新幹線・北陸新幹線の軌道や電気設備の検査を担当します。

東京駅に停車する「East i」(2018年9月)

East i(イーストアイ)はいわゆる「ミニ新幹線」とよばれる山形新幹線および秋田新幹線の検測も実施するため、E3系をベースとして開発されました。

E3系をベースとして開発された「East i」(2018年9月)

また、East i(イーストアイ)の最高時速275キロは検測車両としての世界最高速度を誇ります。

E3系をベースとして開発された「East i」(2018年9月)


左沢線を走るキハ101系(2020年1月)

 

(∇山形) ∇北山形 ∇東金井(ひがしかない) ∇羽前山辺 ∇羽前金沢(うぜんかねざわ) ∇羽前長崎 ∇南寒河江 ∇寒河江(さがえ) ∇西寒河江 ∇羽前高松 ∇柴橋 ∇左沢(あてらざわ)


左沢線の歴史

現在の山形県大江町の中心地区となる左沢は「あてらざわ」と読み、難読地名の一つとなっています。その地名の由来には諸説あるそうですが、『出羽國風土略記」によると最上川の右岸を「こちらの沢」、左岸を「あちらの沢」としたことに由来するといいます。

山形駅に停車する「左沢行き」の列車(2020年1月)

左沢線の歴史は1921年(大正10年)、山形~羽前長崎間が左沢軽便線として開業したことにはじまります。そして、同年に羽前長崎~寒河江間を延伸開業しました。1922年(大正11年)には寒河江~左沢間を延伸開業して全通となり、同年に山形~左沢間を左沢線と改称しました。

山形駅に停車する「寒河江行き」の列車(2020年1月)

このように、国鉄時代には山形駅を起点としていましたが、山形~北山形間は奥羽本線にも属する重複区間であったため、左沢線の起点は後に北山形駅に変更されています。ただし、運行上は現在でも山形駅を起点としています。

山形駅に停車する6番線(左沢線)と7番線(仙山線)の車両(2020年1月)

左沢線はもともと軽便鉄道として敷設されたため、その軌間は1,067ミリとなっています。したがって、奥羽本線の軌間1,453ミリと異なるため、重複区間となる山形~北山形間においても、左沢線奥羽本線とは異なる独立した線路の上を走ります。

手前が奥羽本線、奥が左沢線の線路(2020年1月)


フルーツライン左沢線

左沢線の沿線ではさくらんぼや洋ナシなどの生産が盛んなことから、JR東日本は「フルーツライン左沢線」の愛称を付しています。左沢線は通学の高校生が多く利用しますが、彼らの間では通称「ざわせん」とよばれているそうです。車両側面にはロゴマークが描かれていますが、これは月山(がっさん)・羽黒山・湯殿山(出羽三山)と最上川を模した図形となっています。

車両に描かれるロゴマーク(2020年1月)

左沢線に使用される車両はキハ101系ですが、この車両は左沢線でしか見ることができません。その車両側面には「FRUITS LINER」の文字が描かれています。

車両に描かれる「FRUITS LINER」の文字(2020年1月)