弾丸列車計画と夢の超特急「ひかり号」

投稿者: | 2018-08-16

弾丸列車計画

東海道新幹線の車内では「Welcome to the SHINKANSEN. This is the NOZOMI superexpress bound for…」のように放送されます。新幹線のことを「superexpress」と表現しています。英語の辞書をみると、「bullet train(弾丸列車)」と書かれています。

東海道新幹線の車窓から見える富士山(2019年1月)

東海道新幹線の歴史は1939年(昭和14年)、軍事輸送を目的として動き出した弾丸列車計画に由来します。国会でも承認されたこの計画は、東京~下関間を最高時速200キロ/9時間で結ぶ新線を敷設するというものでした。将来的には海底トンネルを経て対馬,朝鮮半島,北京と結び、ドイツの首都ベルリンへの延伸をも想定する壮大な計画でした。計画は順次進められていきましたが、太平洋戦争の戦局が悪化する中、その計画は中止となります。

東京駅の東海道新幹線18番ホーム(2019年6月)

夢の超特急「ひかり号」

その後、中止となった弾丸列車計画は時を経て新幹線の建設へとつながっていくことになります。現在の東海道新幹線・山陽新幹線のルートはまさに弾丸列車計画のルートとほとんど同じです。

東海道新幹線の車窓から見える富士山(2018年12月)

そして、東海道新幹線の建設は順調に工事が進められ、1964年(昭和39年)に夢の超特急「ひかり号」が東京オリンピックの開催に合わせてデビューし、東京~新大阪間をたった4時間で結ぶようになりました。

青梅鉄道公園に展示される0系新幹線(2020年10月)

1964年(昭和39年)に華々しくデビューした0系新幹線は、当初は12両編成、車両数360両、最高時速210キロでした。

京都鉄道博物館に保存される0系新幹線(2019年4月)

世界で初めて時速200キロ以上の営業運転を実現したことから夢の超特急「ひかり号」とよばれることになります。0系新幹線の製造数は3,216両であり、その製造数は通勤車両103系電車に次ぐ多さとなりました。

0系新幹線が撮影された記念切符
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0系16形

0系16形は新幹線グリーン車の中間車であり、車内には客室以外に乗務員室と荷物保管室が設置されています。その車内はゴールドを基調とした配色になっており、その居住性についても普通車と比べると格段にすぐれたものとなっています。座席は「2人+2人掛け」のリクライニングシートであり、その窓も普通車より大きいものとなっています。

京都鉄道博物館に展示される0系新幹線中間車(2019年1月)