1.鹿児島市電の路線 2.9500形電車 3.「ユートラム2」と芝生軌道
鹿児島市電の車両「谷山行き」(2019年10月)
鹿児島市電の路線
鹿児島市電は鹿児島市交通局が運行する日本最南端の路面電車です。軌道は第一期線(武之橋~鹿児島駅前間)、第二期線(高見馬場~鹿児島中央駅前間)、谷山線(武之橋~谷山間)、唐湊線(鹿児島中央駅前~郡元間)の4路線13.1キロから成ります。年間では1千万人ほどの利用客があって、特に天文館通~鹿児島駅前間では1分間隔で運行される時間帯もあります。運行系統上は1系統および2系統にて運行されています。
鹿児島駅前市電のりば(2019年10月)
9500形電車
9500形電車のルーツは大阪市電にあるといいます。1955年(昭和30年)に製造された元大阪市電の車両を解体し、そこから取り外した機器を流用して誕生した車両が9500形電車です。
市内を走行する9500形電車(2019年10月)
9500形電車の中にはパトカーのような塗色を施した車両もあります。
パトカーのような塗色を施した車両(2019年10月)
「ユートラム2」と芝生軌道
7000形電車は2007年(平成19年)に登場した超低床型車両であり、その愛称は「ユートラム2」と名付けられています。「ユートラム2」は全長18メートルですが、その車体は5車体連接となっています。5車体とは、先頭と最後尾の運転室が流線形をもつ小型の2車体、中間の客車が3車体から成ります。
9500形電車の横を走行するユートラム2(2019年10月)
上の写真においてユートラム2は芝生軌道を走行しています。現在では全国で芝生軌道が敷設されるようになりましたが、日本で初めて芝生軌道を敷設したのは鹿児島市電です。芝生軌道は路面電車の走行音を軽減する効果があるといいます。さらに、軌道についていうと鹿児島では桜島の噴煙によって、わずかながらも灰が降ってくるので路面電車の軌道の清掃は事故を起こさないようにするため極めて重要なものとなります。
桜島(2019年10月)