新京成線が京成電鉄松戸線へ

投稿者: | 2025-11-03

新京成電鉄「新京成線」から京成電鉄「松戸線」へ

2025年(令和7年)4月、新京成電鉄が京成電鉄に吸収合併されて、新京成線(松戸~新鎌ケ谷~京成津田沼間)は「京成松戸線」と路線名を変更しています。各駅名は変更されていませんが、車両のカラーなどは順次、京成電鉄のカラー基調に統一されていくようです。

京成松戸線初富駅(2025年10月)

京成電鉄という一つの鉄道会社として運営していくことにより、組織のスリム化や経営判断のスピード化を図り、強固な経営基盤を築くことを目標としています。

三咲駅駅名標(2022年6月)

新京成電鉄の歴史

新京成線(現在の京成松戸線)の路線の多くの部分は、戦前に日本陸軍が訓練用として敷設した演習線を再利用したものだそうです。第二次世界大戦が終わり、演習線の跡地を活用して新たに鉄道を敷設するため、1946年(昭和21年)に新京成電鉄が設立されました。新京成電鉄が設立された当時、戦後の混乱期でもあり、京成電鉄は資金難の中にあったので自社路線の経営に専心し、演習線の敷設は新京成電鉄が担うことになりました。

新京成電鉄の車両(2022年6月)

1947年(昭和22年)に新津田沼(初代)~薬園台間が開業した後、1949年(昭和24年)年に滝不動~鎌ケ谷大仏間,鎌ケ谷大仏~鎌ケ谷初富(現在の初富)間、1953年(昭和28年)に前原~京成津田沼間を順次開業しました。そして、1955年(昭和30年)に鎌ケ谷初富(現在の初富)~松戸間を開業し、京成津田沼~松戸間が全線開通しました。

京成松戸線初富駅(2025年10月)

京成線との直通運転

京成松戸線の新津田沼~京成津田沼間はS字カーブを描く線形となっています。現在のような複雑な線形となったのは、度重なる新津田沼駅の移転と路線の付け替えが原因のようです。1947年(昭和22年)に新津田沼~薬園台間が開業した際の新津田沼駅は初代の駅であり、初代新津田沼駅は現在のJR津田沼駅に近い場所にありました。当時、国鉄だった総武線津田沼駅との乗り換えを考慮し、この場所に設置されました。

中央・総武緩行線の車両(2019年10月)

1953年(昭和28年)に前原~京成津田沼間を開通した際、新線上に新津田沼駅を移転させて、2代目新津田沼駅となっています。1961年(昭和36年)になると、前原駅から分岐して旧線を復活させ、初代新津田沼駅と同じ場所に3代目新津田沼駅として新たに開業しました。これにともない、2代目新津田沼駅は「藤崎台駅」と改称されています。

京成津田沼駅(2025年10月)

これにより、新津田沼駅から京成津田沼駅に行くには、新津田沼駅から前原駅まで復活した旧線で行き、前原駅で乗り換えて、駅名変更した藤崎台駅を過ぎて京成津田沼駅へ行かなければならなくなりました。

京成津田沼駅の行先表示(2025年10月)

新津田沼駅と京成津田沼駅が異なる線路上にあるため、これを解決するため1968年(昭和43年)にはとうとう4代目新津田沼駅を開業するに至りました。すなわち、藤崎台駅を通る線路を廃し、3代目新津田沼駅を約300メートル京成津田沼駅寄りへ移動させて4代目新津田沼駅とし、「前原~新津田沼(4代)~京成津田沼」というように結び直しました。これにより、現在の京成松戸線と同じ線形になっています。

松戸駅(2022年6月)

1953年(昭和28年)まで京成松戸線の軌間は1,067ミリとなっていましたが、前原~京成津田沼間開業に先立ち、全線で1,372ミリに改軌しました。これにより、1955年(昭和30年)には京成千葉線(京成津田沼~千葉中央間)との直通運転を実現しています。

新京成電鉄の車両(2022年6月)