1.特急「ひだ」 Θ高山本線と地方交通線Θ 2.東海地区を走る車両
新大阪駅で停車する特急「ひだ」の後姿(2019年6月)
特急「ひだ」
特急「ひだ」は大阪・名古屋~高山・飛騨古川・富山間を結びます。高山本線(高山線)に優等列車が初めて走ったのは1958年(昭和33年)の準急列車でした。
オレンジのラインが印象的な特急「ひだ」(2019年6月)
高山本線(高山線)
特急「ひだ」が走る高山本線(高山線)は岐阜~猪谷(いのたに)~富山間を結ぶ全線非電化路線です。高山本線(高山線)は「本線」という名にもかかわらず、本州では唯一の地方交通線となっています。地方交通線とは国鉄(後のJR)による鉄道路線の分類の一つであり、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法に基づいて分類されたものです。そこでは、地方交通線は「幹線鉄道網を形成する営業線として政令で定める基準に該当するものを除いて、その運営の改善のための適切な措置を講じたとしてもなお収支の均衡を確保することが困難であるもの」とされています。
1968年(昭和43年)には名古屋~金沢間に特急「ひだ」が初登場し、80系が投入されることになりましたが、これには当初より食堂車の連結はありませんでした。その後、多くの路線が電化されていきますが、財政難などの理由により高山本線(高山線)の電化は実現しませんでした。各地で余剰となった80系は高山本線(高山線)へやって来るため、結果的に80系の気動車が長い間、高山本線(高山線)で活躍するということになります。しかしながら、時代遅れの車両は、老朽化と速度が遅いということからその評判は芳しくありませんでした。そうした中、1989年(平成元年)になってやっと、新しい気動車となる85系が投入されることになりました。
現在も運転を続ける85系(2019年5月)
このとき、特急「ひだ」に加えて、1968年(昭和43年)にすでに登場していた急行「のりくら」の車両の置き換えも行われることになりました。現在では、すべての特急「ひだ」がキハ85系気動車によって運用されています。
キハ85系(2019年5月)
85系は国鉄民営化後、JR東海が初めて製造した気動車であり、カミンズ社(アメリカ)製の強力エンジンを1両当たり2基搭載し、最高速度120キロで走行します。
新大阪駅に停車する特急「ひだ」(2019年6月)
座席の床位置は通常より高い位置となるハイデッカー構造の車両であり、側窓は広くワイドビューとなっています。
ワイドビューな側窓(2019年5月)
特急「ひだ」には、すべての列車が車内からの眺望がよいワイドビュー車両が使用されるため、特急「(ワイドビュー)ひだ」と案内されています。
新大阪駅に停車する特急「ひだ25号」(2019年3月)
名古屋発着の列車は東海道本線および高山本線(高山線)経由で「名古屋~岐阜~高山・飛騨古川・富山」、大阪発着の列車はJR京都線・琵琶湖線・東海道本線・高山本線(高山線)経由で「大阪~京都~米原~岐阜~高山」のルートで運行されます。
新大阪駅に停車する特急「ひだ25号」(2019年3月)
大阪発の列車は8時2分発の特急「(ワイドビュー)ひだ25号」の1本しかありません。
新大阪駅に停車する特急「ひだ25号」(2019年3月)
東海地区を走る車両
313系は名古屋・静岡地区で活躍するJR東海の車両であり、1999年(平成11年)に登場しました。それ以来現在も快速電車および普通電車の代表的車両として活躍しています。
米原駅に停車する313系(2016年8月)