都電荒川線(愛称「東京さくらトラム」)
都電の全盛期には40路線が運行されていましたが、現在では都電荒川線が東京都に残る唯一の都電となってしまいました。都電荒川線は三ノ輪橋~早稲田間を結んでいますが、東京都交通局は2017年(平成29年)、この路線の愛称を「東京さくらトラム」と設定しました。
大塚駅前停留場に掲示される荒川線の路線図(2020年7月)

大塚駅前駅停留場と王子電気軌道
大塚駅前停留場は山手線の大塚駅と交差する場所にありますが、とても長い歴史をもち、王子電気軌道の大塚停留場として1911年(明治44年)に誕生しました。
大塚駅前停留場(2020年7月)

王子電気軌道とは、東京の北東部から北西部にかけて路面電車を運営していた鉄道会社であり、都電荒川線の前身となるものです。
大塚駅前停留場(2020年7月)

王子電気軌道は1911年(明治44年)に飛鳥山~大塚駅前間を開業した後、三ノ輪(現在の三ノ輪橋)~早稲田間を順次延伸し、現在の都電荒川線の路線が完成したものです。1942年(昭和17年)になると、王子電気軌道は戦時統合により東京市電(後の都電)の一部となりました。
大塚駅前停留場(2020年7月)

向原停留場と8500形・8800形電車
向原(むこうはら)停留場は、大塚駅前停留場から早稲田方面へ1つ行った隣りの停留場であり、1925年(大正14年)に開業しました。
向原停留場(2020年12月)

向原停留場の次の停留場は大塚駅前停留場となります。大塚駅前停留場へ向かう軌道はゆっくり右へカーブを切りながら、坂を下っていきます。その坂をローズレッド色を配した8800形電車が下っていきます。
8800形電車/ローズレッド(2020年12月)

8800形電車は2009年(平成21年)に投入された車両であり、「荒川線の未来を開く、先進性と快適性」をコンセプトとして、丸みのあるスタイルで優しさと親しみやすさをイメージしたデザインとしています。従来の車両と比べて約2割の省エネを実現しており、環境に配慮した車両となっています。車体カラーはバラをイメージしたローズレッドの他、バイオレット,オレンジ,イエローを配した車体があります。
8500形電車(2020年12月)

8500形電車は1990年(平成2年)に登場した車両であり、都電としては7500形電車以来28年ぶりとなる新型車両です。スマートな外観と快適な乗り心地を実現した車両です。
東池袋四丁目停留場
さらに、向原停留場の1つ隣りにある東池袋四丁目停留場は東京メトロ有楽町線東池袋駅のすぐ近くにあり、サンシャインシティの玄関口ともなっています。
東池袋四丁目駅(2020年7月)

小台停留場
東池袋四丁目停留場から、三ノ輪橋方面へ大きく戻り、荒川車庫前停留場から2つ目の小台(おだい)停留場も、王子電気軌道が1913年(大正2年)に開業しています。この小台停留場は荒川区西尾久にあり、「小台」という名は隅田川に架かる小台橋を渡って北側の足立区の地名となります。王子電気軌道時代より、足立区小台の玄関口となっていたため停留場名が「小台」となったようです。
小台駅(2021年6月)

荒川線の起点「三ノ輪橋停留場」
荒川線の起点となるのは三ノ輪橋停留場であり、1913年(大正2年)に王子電気軌道の停車場として開業しています。また、三ノ輪橋停留場は1997年(平成9年)に荒川線の停車場としては唯一、関東の駅百選に選定されています。その選定理由は「春には見事なバラが咲き揃う、都内唯一の都電が走る停車場」というものでした。
三ノ輪橋駅(2021年6月)

都電荒川線の魅力
路面電車はその発車や停車の際に鳴るベルの音から「チンチン電車」とも呼ばれ、都電荒川線でもその昭和時代の音が魅力となっています。レールと車輪の音、車両のモーター音もレトロで懐かしい感じがします。
都電荒川線の車両(2020年7月)

三ノ輪停留場にはその入口からホームの柵に沿ってバラが植えられていて、バラのアーチと生け垣が魅力となる停車場です。また、飛鳥山や早稲田周辺では、その線路を覆うような桜を楽しむことができます。その愛称が「東京さくらトラム」というのもうなづけます。
大塚駅前停留場(2020年7月)




