宮舞線の車窓から見た美しい海岸沿いの風景(2016年3月)
京都丹後鉄道
京都府宮津市に本社を置くウィラートレインズは2015年(平成27年)より、第三セクターである北近畿タンゴ鉄道の保有する宮福線と宮津線(宮豊線・宮舞線)を京都丹後鉄道(略称「丹鉄」)として運行しています。ウィラートレインズの親会社であるウィラーは旅行業を中心とした複数の企業をその傘下にもつ会社です。その傘下には高速バスを運行するウィラーエクスプレスもあります。
宮城バスまつり(2019年9月)
宮福線は宮津~福知山間約30キロを結ぶ路線、宮豊線は宮津~豊岡間約59キロを結ぶ路線、宮舞線は宮津~西舞鶴間約25キロを結ぶ路線です。
福知山駅駅舎(2016年3月)
特急「丹後の海」
2017年(平成29年)、京都丹後鉄道では1996年(平成8年)より運行してきたタンゴディスカバリー(KTR8000形)の運行を終了しました。
福知山駅の京都丹後鉄道の乗り場へ(2017年5月)
タンゴディスカバリーの運行終了後は特急「丹後の海」のデザインに統一されることになりました。特急「丹後の海」は2015年(平成27年)にデビューしています。特急「丹後の海」は、JR九州の「ななつ星in九州」などをデザインした工業デザイナーの水戸岡鋭治氏がその設計・デザインを担当した車両であり、京都と丹後を結ぶ特急列車です。「海の京都」をイメージしてタンゴディスカバリーの車両を改造しています。藍色メタリックの外観、車体各所に配置された金色のシンボルマーク、木目調の室内空間などどれをとっても素晴らしい車両となっています。
「丹後くろまつ号」
観光列車「丹後くろまつ号」「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」のデザインも特急「丹後の海」をデザインした水戸岡鋭治氏が担当しています。観光列車「丹後くろまつ号」では、電車内でランチをいただくコースがあります。私は2016年(平成28年)春に乗車しましたので、今とは少し企画が異なっているようです。あらかじめネット予約をし、天橋立駅で乗車券と引き換えをしました。
乗車券(2016年3月)
「丹後くろまつ号」に乗車すると、アテンダントの方に座席に案内されました。車内は天然木を使用したデザインとなっていて、とても落ち着いた雰囲気です。
ランチのおしながき(2016年3月)
机上においてあったはがき(2016年3月)
食事が運ばれるたびに、電車はしばらく停車し、ゆっくりと食事をすることができます。また、絶景ポイントでも電車は徐行したり、停車したりしてくれますので、ゆっくりと車窓の風景を楽しむことができました。
先頭車両の車窓から見た風景(2016年3月)
車内に掲示されるロゴ(2016年3月)
「丹後くろまつ号」(2016年3月)
「丹後あおまつ号」
観光列車「丹後あおまつ号」は全車自由席であり、予約は不要です。通常運賃のみで乗車できる観光列車です。この「丹後あおまつ号」は松をテーマとしてデザインされています。
「丹後あおまつ号」(2016年3月)
福知山市民病院口駅
福知山市民病院口駅は宮福線が開業した1988年(昭和63年)、厚中問屋(あつなかとんや)駅として設置されました。その後、2015年(平成27年)にウィラートレインズへ運営が移管される際に福知山市民病院口駅と改称されています。
線路の東側にのみホームがあり、出入口は宮津方面側(北側)と福知山方面側(南側)の2か所設置されているが、改札や券売機は設置されていません。
宮津方面側(北側)出入口(2018年4月)
宮福線の線路と並行して、西側(写真左側)に山陰本線の線路が走っていますが、山陰本線にはこの駅のホームはありません。
右側/宮福線の線路 左側/山陰本線の線路(2018年4月)
福知山方面へ向かう山陰本線の列車(2018年4月)
福知山市民病院口駅に到着する宮福線の列車(2018年4月)
日本三景天橋立と宮豊線
日本三景とは松島(宮城県)、宮島(広島県)そして天橋立(京都府)ですが、天橋立駅は宮豊線内にあります。
天橋立駅(2016年3月)
天橋立は砂嘴(さし)とよばれる地形であり、幅が狭いところで約20m、広いところで約170m、長さが約3.6kmに渡る砂浜です。
「天国への架け橋」ともいわれるその細長い地形には松の木が約8,000本あり、長い年月をかけて自然がつくり出した珍しい地形を見るために、毎年多くの人々が訪れます。
天橋立(2016年3月)
宮舞線の美しい風景
宮舞線は若狭湾をのぞみながらゆっくりと走る路線ですが、こちらも海岸沿いの美しい風景を見ることができます。
車窓から見た海岸沿いの風景(2016年3月)
由良川橋梁
由良川橋梁は、宮舞線の丹後由良駅と丹後神崎駅間の由良川河口にかかる橋梁です。レトロな橋梁は懐かしい郷愁を感じさせてくれます。
1924年(大正13年)に完成した橋であり、その長さは約550mあります。進行方向右側にだけ赤い柵が見られます。水面からわずか6mのところを京都丹後鉄道の列車が走ります。
由良川橋梁(2016年3月)
丹後由良駅は1924年(大正13年)、舞鶴(現在の西舞鶴)~宮津間の開通と同時に開業しています。また、丹後神崎駅は1957年(昭和32年)に地元からの要望により丹後由良~東雲間に新設開業しました。
東雲駅
「東雲」は「しののめ」と読みますが、東雲駅という名の駅は京都丹後鉄道の他、東京臨海高速鉄道りんかい線にもあります。また、「東雲」と書いて「とううん」と読む石北本線(JR北海道)の駅があります。
京都丹後鉄道の東雲駅は1924年(大正13年)、舞鶴(現在の西舞鶴)~宮津間の開通と同時に開業しました。2014年(平成26年)には「安寿の里駅」という愛称が設定されています。
東雲駅(2016年3月)