吉野駅(2016年10月)
吉野駅
2004年(平成16年)に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されました。
吉野朝廷跡(2016年10月)
桜の名所として知られる吉野山全体がこの中に含まれている他、金峯山寺(きんぷせんじ)・吉水神社などの建造物も世界遺産として登録されています。
金峯山寺近くから見た山々(2016年10月)
世界遺産「吉野山」への玄関口である吉野駅へは、大阪阿部野橋から近鉄特急に乗車し直通で来ることできます。
吉野駅に停車する特急列車(2016年10月)
また、京都からは橿原神宮前で、名古屋からは大和八木、橿原神宮前で乗り換えることで吉野まで来ることができます。
吉野駅に停車する急行「あべの橋行き」(2016年10月)
吉野駅ホーム(2016年10月)
吉野線
吉野線の歴史は1911年(明治44年)、吉野軽便鉄道が発足したことにはじまります。
旧吉野鉄道路線図の一部
1912年(大正元年)に吉野口~吉野(現在の六田)間11.2kmを開通させ、蒸気機関車での営業運転を開始します。
(左)テハ1形/近鉄5151形(昭和36年廃車)(右)開業当時の蒸気機関車
吉野軽便鉄道は1913年(大正2年)に社名を吉野鉄道と改め、これが吉野線の前身となり、923年(大正12年)に吉野口~橿原神宮前間を開通させました。さらに、吉野鉄道は桜井線へ直通運転をするために、1924年(大正13年)には橿原神宮前~畝傍間を延伸開業しました。1928年(昭和3年)には吉野駅を六田駅と改称して六田~吉野間が開業し、吉野線が全通しています。
吉野駅駅舎(2016年10月)
【六田駅】
六田駅は「むだえき」と読み、近畿日本鉄道の駅となっています。六田駅は1912年(大正元年)、吉野軽便鉄道が開業した際に吉野駅として開業しています。その後、社名変更により吉野鉄道の駅となり、1928年(昭和3年)に六田駅と改称しています。1929年(昭和4年)に大阪電気軌道(大軌)の駅となった後、関西急行鉄道、南海鉄道(現在の南海電気鉄道)の駅を経て、近畿日本鉄道の吉野線の駅となりました。
六田駅駅名標(2016年10月)
1929年(昭和4年)、大阪鉄道の古市~久米寺(現在の橿原神宮前)間が開通すると、大阪阿部野橋~吉野間の直通運転が開始されるようになります。この年、大阪電気軌道(大軌)が吉野鉄道を合併しています。
吉野線開業70周年記念乗車券
吉野ロープウェイ
吉野駅を出て徒歩3分ほどで吉野山へ向かうロープウェイの千本口駅に到着します。
吉野駅駅舎(2016年10月)
このロープウェイで吉野山(山上駅)へ向かうことができます。山上駅までの所要時間は3分ほどです。
ロープウェイ千本口駅(2016年10月)
ロープウェーは吉野大峯ケーブル自動車が運営しています。日本最古の索道路線であり、1929年(昭和4年)に千本口~吉野山間が開通しています。
ロープウェイ「さくら号」(2016年10月)
索道とは一般的にロープウェーとよばれ、普通索道と特殊索道の2種類があります。普通索道は通常の箱型の車体がぶら下がるロープウェー、特殊索道はスキー場のリフトのようなものをさします。
世界遺産・金峯山寺
ロープウェイ吉野山駅で下車し、吉野山のシンボルである金峯山寺蔵王堂まで歩いて向かいます。3分ほど歩くと黒門が見えてきます。金峯山寺の総門です。さらに少し歩くと銅(かね)の鳥居があります。高さは7.5mあり、すべて銅でできており、室町時代に再建されたものです。
金峯山寺銅鳥居(2016年10月)
さらに歩くと、国宝である金峯山寺仁王門が目の前にそびえたちます。階段を上ると、蔵王堂に到着します。蔵王堂の高さは34mあり、東大寺大仏殿に次ぐ木造建築です。
金峯山寺本堂/蔵王堂(2016年10月)
吉野朝廷跡
蔵王堂のすぐ隣には、かつての南朝(吉野朝廷)の皇居跡があります。この辺りには大小20ほどの寺院があり、その中でも最も広い実城寺が行宮とされ、後醍醐天皇の御座所となったそうです。
吉野朝廷跡(2016年10月)
世界遺産・吉水神社
さらに山の奥へ進むと吉水神社があります。日本最古の書院建築として世界遺産に登録されています。
吉水神社書院(2016年10月)