「ゆいレール」の車両(2018年5月)
【沖縄都市モノレール線】
[那覇空港]―[赤嶺]―[小禄]―[奥武山公園]―[壺川]―[旭橋]―[県庁前]―[美栄橋]―[牧志]―[安里]―[おもろまち]―[古島]―[市立病院前]―[儀保]―[首里]―[石嶺]―[経塚]―[浦添前田]―[てだこ浦西]
沖縄県営鉄道
沖縄県は1914年(大正3年)、まず与那原線(那覇~与那原間)を開業し、1922年(大正11年)に嘉手納線(古波蔵~嘉手納間)、1923年(大正12年)には糸満線(国場~糸満間)を開業しました。大正時代にはこれらの建設費の負担がのしかかって経営状況は芳しくありませんでしたが、昭和時代に入ると経営は安定するようになり、バス事業も運営するようになりました。
万座毛(恩納村)の美しい風景(2018年5月)
ところが、1944年(昭和19年)になると、戦争の影響により軍用として運行されるようになり、通常の営業運転ができなくなってしまいました。翌年になると戦争の激化は進み、列車の運行は完全に停止されて、鉄道施設も破壊されてしまいました。その後も沖縄県営鉄道は復旧されることなく、事実上廃止となってしまいました。
牧志駅付近の風景(2018年5月)
ゆいレール
その後、沖縄は平成時代に入ってからも日本で唯一鉄道が走っていない都道府県となっていました。
沖縄都市モノレール線「ゆいレール」(2018年5月)
ところが、2003年(平成15年)に沖縄都市モノレール線「ゆいレール」が開業し、58年振りに沖縄県に鉄道が復活しています。
沖縄都市モノレール線「ゆいレール」(2018年5月)
ゆいレールの「ゆい」は「ゆいまーる」という沖縄言葉を由来とし、この言葉には「人と人とを結ぶ助け合い」という意味があります。
車体側面の「ゆいレール」ロゴ(2018年5月)
ゆいレールは那覇空港~首里間12.9キロを結ぶ跨座式モノレールです。那覇空港駅は日本最西端の駅、赤嶺駅は日本最南端の駅となります。
「ゆいレール」の車両(2018年5月)
ゆいレールは軌道法による軌道として敷設され、全線が地上8~20メートルを走行する高架線となっています。
高架線(2018年5月)
最も高いのは市立病院前駅であり、その高さは約23メートルにもなります。かなり高所を走行するということからモノレールからの眺望には人気があります。
牧志駅付近の風景(2018年5月)
QRコード式乗車券
ゆいレールの乗車券はQRコードが付された読み取り式の切符ですが、ゆいレールではいち早くこの形式の切符を採用しています。読み取り式のため、2014年(平成26年)に導入された自動改札機には乗車券の投入口、乗車券の搬送通路、乗車券の取り出し口がありません。つまり、改札機に切符を投入するのではなく、ICカードのように改札機のタッチ部に切符をかざすようにします。
QRコードが付された普通乗車券(2018年5月)
また、OKICAも沖縄都市モノレール線で使用することができます。OKICAは沖縄県の鉄道・バス事業者で導入されている非接触型ICカード乗車券ですが、沖縄都市モノレール線以外に琉球バス交通・沖縄バス・那覇バス・東陽バスで使用することができます。ただし、OKICAは地方独自の交通系ICカードなので沖縄県以外では使用することができません。ただし、2020年(令和2年)より沖縄都市モノレール線ではSuicaが利用できるようになり、Suicaと相互利用可能なICOCAやPASMOなども利用することができます。